今年度は、開発したグリーフケアプログラムの評価を Asian American Pacific Islander Nurses Associatetion's 14th Annual Conference にて発表した。 発表テーマは「在宅終末期がん患者を看取る家族へのグリーフケアに関する看護師の教育プログラム実施後の看護実践の変化」であった。本研究の目的は、在宅終末期がん患者を看取る家族へのグリーフケアに関する看護師の教育プログラムを実施することでその後の看護実践の変化を明らかにすることである。近畿圏内に勤務する訪問看護師を対象とした「グリーフケア」研修会を開催し、無記名自記式質問紙調査を研修会前と終了後1か月に実施した。データ分析方法は対応のあるt検定を行った。研修参加者は25名全員女性であった。参加者の平均訪問看護経験年数は11.0±6.8年、平均看護師経験年数は22.2±8.3年であった。研修会前後において、看護実践の頻度に有意な差が見られた項目は、家族が十分に介護を行ってきたことを伝える(p=0.001)、悲嘆や死別に関連する手記や本、遺族会などを紹介する(p=0.002)であった。グリーフケア研修会を実施することで、グリーフケアに関する看護実践の頻度が増えたことが明らかになった。これらのことから、グリーフケア研修会は効果的であったと言える。しかしながら、有意な差が見られなかった項目もあるため、今後さらに検討を行い、よりよいプログラムに修正する必要があると考える。 今後は、論文投稿も行っていく予定である。
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