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2014 年度 実施状況報告書

介護者のためのエンハンスメント・プログラムの評価

研究課題

研究課題/領域番号 25463575
研究機関神戸女子大学

研究代表者

藤田 冬子  神戸女子大学, 健康福祉学部, 教授 (60612538)

研究分担者 野嶋 佐由美  高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード家族介護者 / 高齢者 / 意思 / 介護能力 / エンハンスメント / プログラム / 最期
研究実績の概要

本研究の目的は、高齢者の家族介護者の会の能力を高める「介護者のエンハンスメント・プログラム」の長期的な効果を明らかにすることである。すでに開発した3つの介護領域である「心配事の解消」「食事の介護」「暮らしのリズムを整える」に加え「最期の意思を支える」を開発中である。「最期の意思を支える」の介護領域では、エンハンスメントプログラムの構造である、1.介護者としての自己を認め高めていくスキル、2.介護力を高め健康を維持促進するスキル、3.家族・社会と関係する能力を高めるスキル、4.介護方法を状況に合わせ適用していくスキルに応じて、到達目標と教育内容および教育方法を検討しているところである。
また、高齢化が加速する中で、90歳代の超高齢者の介護者や老老介護、認知症高齢者の増加、地域包括ケアの促進および医療施設における地域包括ケア病棟の開床、新オレンジプランの策定により、「最期の意思を支える」の介護領域の開発においては、より幅広い介護状況を想定することが必要となり、当初計画していた内容を再吟味することとした。
今年度は、プログラムを実施する看護職がもつ能力の情報収集、急性期病院のおよび老人保健施設での高齢者の入院入所状況の情報収集、急性期病院で対応困難な家族介護者のケアを行っている老人看護専門看護師の実践経験についてインタビューを行った。
その結果、90歳代の超高齢者の中には、老衰で亡くなる場合、認知症でなくなる場合、がんで亡くなる場合、呼吸器疾患で亡くなる場合について、それぞれ、高齢者自身および家族の直面する体験の特徴が明らかとなりつつある。また、対応困難な介護者においては、介護者自身が直面している状況に理解を示す姿勢や介護者自身が高齢者を亡くした後の人生をどのように生きていくか考えていけるといったことも、必要な教育内容であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

超高齢社会の加速に伴い、プログラム実行者である看護職の能力および、様々な施設における高齢者の入院・入所状況について、あらためて情報収集を行った。また、急性期病院で対応困難な家族介護者のケアを行う老人看護専門看護師の実践経験のインタビューを行った。
その結果、超高齢者の中には、老衰、認知症、がん、呼吸器疾患で亡くなる場合、それぞれ、高齢者自身および家族の直面する体験の違いがあることが明らかとなった。また、対応困難な介護者において看護職は、介護者自身が直面している状況に理解を示す姿勢や介護者自身が高齢者を亡くした後の人生をどのように生きていくか考えていけるよう導くといったことも、必要な教育内容であることが明らかとなった。
これらのことから「介護者のエンハンスメント・プログラム」の4つ目の介護領域である「最期の意思を支える」のプログラム開発では、当初の想定よりも、現在の超高齢者や認知症といった疾患を持った中での「最期の意思」について、深めていく必要性が明らかとなった。

今後の研究の推進方策

今年度に収集した情報から、超高齢者および老老介護にも対応した「最期の意思を支える」の介護領域のプログラムを完成させる。その後、他の3介護領域とあわせて、ファシリテーターによる実施および実施後の評価を行うこととする。

次年度使用額が生じた理由

「最期の意思を支える」の介護領域の開発において、プログラム内容を充実させているため、プログラムの実演ができていないため、次年度使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

平成27年4月~6月 「最期の意思を支える」の介護領域完成。プログラム実施者を募集
平成27年7月~12月 プログラムの実施 平成28年1月~3月 プログラム内容のデータ整理および論文作成

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 超高齢者・多死社会における老人看護の創造2015

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子
    • 雑誌名

      看護

      巻: 67(4) ページ: 22

  • [雑誌論文] “病院完結型”から“地域完結型”に変わり行く中での看護職のあり方2015

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子
    • 雑誌名

      看護

      巻: 67(4) ページ: 23

  • [雑誌論文] チーム医療・地域包括ケアシステム推進における“看護職”の課題2015

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子
    • 雑誌名

      看護

      巻: 67(4) ページ: 24

  • [雑誌論文] 介護保険制度・新オレンジプランの下で看護師・看護管理者が果たす役割2015

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子
    • 雑誌名

      看護

      巻: 67(4) ページ: 25

  • [学会発表] 侵襲的治療を受ける認知症高齢者のケアを改善するコンサルテーションの可視化2015

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子 鶴屋邦江 花房由美子
    • 学会等名
      日本老年看護学会第20回学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-14
  • [学会発表] ICUに緊急入院した認知症高齢者をケアする看護師へのコンサルテーションの可視化2015

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子 鶴屋邦江 花房由美子
    • 学会等名
      第16回日本認知症ケア学会
    • 発表場所
      ホテルサッポロ芸文館,札幌市教育文化会館(札幌市)
    • 年月日
      2015-05-23 – 2015-05-24
  • [学会発表] アウトリーチにより老人看護CNSが行う介入の可視化-認知機能が低下した高齢者に対する介入-2014

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子、田村文佳
    • 学会等名
      日本老年看護学会第19回学術集会
    • 発表場所
      愛知県産業労働センターウインクあいち(名古屋市)
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-29
  • [学会発表] クリティカルケア領域での高齢者ケア2014

    • 著者名/発表者名
      藤田冬子
    • 学会等名
      第10回日本クリィティカルケア看護学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2014-05-24 – 2014-05-25
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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