研究課題/領域番号 |
25463580
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
佐久川 政吉 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 准教授 (80326503)
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研究分担者 |
野口 美和子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 名誉教授 (10070682)
田場 由紀 沖縄県立看護大学, 看護学部, 講師 (30549027)
大川 嶺子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 准教授 (50162558)
山口 初代 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (70647007)
大湾 明美 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (80185404)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高齢者 / 移民 / 地域文化 / 幸福感 / 介護予防 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、沖縄県出身ボリビア移民1世高齢者の地域文化行動が幸福感に及ぼす影響を明らかにし、介護予防や介護を支える地域づくりに役立てるために行った。2年目(26年度)に本調査を実施、データ収集を行い、3年目にデータ分析を行った。研究協力者は調査困難な者(認知症等)を除く125名で、そのうち、調査拒否や不在等の23名を除く102名(81.6%)であった。 1世高齢者は、今の暮らしについて「のんびりできる」等の理由で、満足群が8割を越えていた。入植以来、故郷の伝統行事を誇りに持ち、方言や伝統行事(豊年祭等)を守り抜いていた。日頃はゲートボール等に参加し、健康・生きがいづくりを仲間同士で楽しんでいた。人生の最期をどこでどのように過ごしたいかについては、「自分たちで開拓し50年以上も住み慣れた村だから」「方言が通じて安心できるから」等を理由に、移住地で暮らし続けることを9割以上が切望していた。心の支えになっていることとして、「移住地でも生活や行事は沖縄のままであり続けていること」の喜びや、「体を粉にして働き、苦労したからこそ今が幸せに思えることが生きていく上での支えになっている」等を語っていた。次世代への役割としては、方言や伝統行事、ユイマールを継承する必要性を語っていた。 今後については、移住地での医療や介護の整備状況は十分でないため、専門の医療や介護サービス(在宅・施設)への不安がみられる。1世高齢者々が高齢化し、認知症や寝たきり等に伴う介護問題が深刻である。最期まで1世高齢者が望む移住地での暮らしが続けられるための地域ケアづくりが必要と考える。移住地には1世高齢者が60年間の歳月をかけてつくりあげてきた住民同士の支え合いの基盤がある。その強みをいかして、遠隔機器(スカイプ等)を活用し、住民の力を活かした住民参加型の地域ケアをどのように構築していくのかが課題である。
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