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2013 年度 実施状況報告書

「発話」を活用した嚥下機能維持・向上ケアモデルの構築と有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 25463587
研究種目

基盤研究(C)

研究機関城西国際大学

研究代表者

井上 映子  城西国際大学, 看護学部, 教授 (80194059)

研究分担者 和野 千枝子  城西国際大学, 看護学部, 准教授 (90461839)
山田 万希子  城西国際大学, 看護学部, 助教 (40299897)
後藤 武  城西国際大学, 看護学部, 教授 (30406772)
大森 直哉  城西国際大学, 看護学部, 准教授 (60406767)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード嚥下機能 / 発話 / 高齢者 / 反復唾液嚥下テスト / サーモグラフィー / 深部体温
研究概要

【研究の背景と目的】 構音と嚥下は末梢効果器官の多くが互いに重複しているため、「発話」による口腔構音器官の運動が嚥下における口腔準備および口腔期に影響する可能性がある。そこで本研究は、嚥下機能における受動的「発話」の効果を検討した。
【対象・方法】 対象は60~73歳の健常者7名(平均年齢66.6±5.6歳)。単音節7000個の文章を350個/分程度のスピードで朗読し、その前後で反復唾液嚥下テスト3回目積算時間(以下、嚥下時間)、朗読中の深部体温、脈拍、血圧、甲状舌骨筋の表面温度を測定した。生体測定器具は、サーモグラフィー(インフラアイ3000、日本光電)、ベッドサイドモニタ(PVM-2703、日本光電)、連続測定型耳式体温計(CEサーモ、ニプロ)を用いた。
【結果】嚥下時間は、受動的「発話」前後で比較すると7名のうち5名が短縮した。深部体温と脈拍、甲状舌骨筋の表面温度は開始前と比較して有意に上昇した(p<0.05)。
【考察】運動にとって筋温の上昇は、筋収縮のエネルギーの縮小化、神経伝達速度の促進、活動筋への酸素供給の円滑化、筋内の酵素活性の活性化と好影響を与えると言われている。したがって、受動的「発話」は、深部体温と甲状舌骨筋の温度の上昇を促進し嚥下関連筋群を活性化させ嚥下時間を短縮させたと考える。甲状舌骨筋の収縮が喉頭口の閉鎖に関与することから、今後「発話」を食事前のウォーミングアップとする誤嚥予防援助モデルを考案する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験はおおむね順調で、予測通りの結果が得られた。しかし、被験者の数が予定より少ないため、平成26年度において追加実験をするか検討中である。

今後の研究の推進方策

健康高齢者を対象に、能動的「発話」(『朗読』)と受動的「発話」(『昔語り』)の嚥下機能および生理機能への効果を明らかにし、嚥下機能に有効な『朗読』と『昔語り』によるケアモデルを作成する。施設高齢者を対象に、嚥下機能、生理機能、心理的側面、活動的側面からみた「発話」を活用したケアモデル『朗読』と『昔語り』の有効性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

物品が、予定より低額で購入できたため残金が発生した。
被験者の増加を見込んでいるため、今回の残金は実験に伴う消耗品費にあてる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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