研究課題/領域番号 |
25463589
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小山 幸代 北里大学, 看護学部, 教授 (70153690)
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研究分担者 |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 生活行動 / コミュニケーション / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本教育プログラムの核となる認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーションの具体的技法とその根拠を明らかにした。第1段階目の調査データより、ケア提供者による依頼・誘いの発話は、それに応じるしかたで認知症高齢者が入浴や排せつなどの生活行動を行うこと、この相互作用には優先応答体系(依頼や誘いに対する応答には、拒否は避けられ承諾が優先する)という日常会話のルールが内在していることがわかった。このルールはケア提供者はもちろん、認知症高齢者も身につけていて失われていない常識的社交的ルールであることから、生活行動を引き出すのに有効であると考えられた。また、家事を手伝うなどの役割を果たす行動場面では、ケア提供者は依頼・誘いの前に、それらをほのめかす発話をしており、依頼・誘いが成功するための先行連鎖という働きをしていることがわかった。さらに、これらの結果を信頼できるものにするために、データ分析を重ねていく予定である。 第2段階目の教育プログラム試案の作成については、昨年度の文献検討に基づき、教育対象者にとってリフレクション学習となるような教育内容について検討した。今回は、特に、病院で勤務するケア提供者を対象として、入院場面、術後の場面、退院前の場面を想定して、具体的なコミュニケションのとり方について、被教育者に検討してもらえるような教材案を作成した。今後は、本教材案について、認知症ケアの専門家、看護・介護現任教育担当者からのヒアリングを行い、内容を精選する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では、平成27、28年度で「認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム試案」による教育的介入と評価を実施する予定であった。本試案の作成には取り組めたが、教育的介入の準備ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
「認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム試案」について研究協力者へのヒアリングを行い、内容を精選する。そのうえで、「認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム試案」による教育的介入と評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
「認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム試案」について、認知症ケア専門家および看護・介護現任教育者へのヒアリングを行う予定であった。しかし、試案の作成に遅れが生じたためヒアリングが行えず、そのための謝金や交通費が使用できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の主予算は外国旅費のため、謝金等に使用できる経費が少ない。したがって、「認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム試案」への認知症ケア専門家および看護・介護現任教育者へのヒアリングに伴う謝金や国内旅費等に使用する。
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