研究課題
前年度までに教育プログラムの教材となる認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーションの具体的行為とその根拠をエスノメソドロジー的相互行為分析により明らかにした。本年度はその教材を使った教育プログラム試案を作成した。この教育プログラムは、リフレクション学習を基にした。また、ケア提供者が自分の実践と対比させて学習できるような工夫をした。具体的なプログラムは次のとおりとした。1日目は①認知症高齢者とケア提供者のコミュニケーション場面の評価<DVDを用いた演習> ②評価につながったケア提供者側の認知症高齢者のみかたについての議論 ③認知症高齢者の低下する能力と保持している能力の理解<講義> ④認知症高齢者が保持している生活行動を引き出すコミュニケーションスキル(申請者らが明らかにした優先応答体系、先行連鎖等を根拠とした具体的技法の活用)<事例を用いた講義> ⑤事例検討の方法(目的や方法、用いる書式の説明と事例検討の例の説明)<講義>である。1日目プログラム終了後から約1ケ月間は、学習したコミュニケーションスキルを用いた実践に取り組み、2事例の実践結果を事例検討用紙に記載する。2日目は、各自の事例検討を持ち寄り、グループワークにより事例検討をし、発表討議をする。本プログラムを看護職・介護職15名を対象にセミナーとして実施し高い評価を得た。一方課題も見つかり、今後、プログラム内容と方法を改善した教育プログラムを検討することとした。
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すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)