研究課題
本研究では、「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にするための終末期訪問看護モデルを構築することを目的として3段階の調査を実施した。平成25年度の第一次調査では、全国訪問看護ステーションを対象に郵送調査を実施し、「独り暮らし」高齢者の在宅での終末期看護の実態を明らかにした。平成26年度の第二次調査では、「独り暮らし」高齢者への在宅終末期支援体制、支援方法について訪問看護師に面接調査を実施し、訪問看護師の援助の特徴を記述した。平成27年度は第三次調査を実施し、第二次調査で得られた訪問看護師の援助から、終末期訪問看護モデル試案を作成し、エキスパートによる事例検討会を経て内容の精選を行った。研究協力者は、訪問看護師8名、訪問看護師以外の有資格者6名の計14名であった。事例検討会はグループインタビュー形式で実施した。その結果、「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にするために訪問看護師が行っている援助は、生活を整える援助である【本人が今のままで過ごせるよう工夫しながらケアする】、生活援助と並行して訪問看護師が実践している症状コントロールの【生活状況から苦痛の程度を判断し緩和する】ことを柱として、訪問看護師はこれらの援助を行っていくうえで、【誰もが納得した最期を迎えられるように専門職/非専門職を含めたチームケアを推進する】ことを基盤とした活動であることが明らかになった。以上の結果をふまえて、「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にする終末期訪問看護モデルを構築した。今後は、作成した看護モデルを実際の現場で活用した効果を検証していく予定である。
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