研究課題/領域番号 |
25463596
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
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研究分担者 |
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ライフヒストリー / 終末期在宅がん療養者 / 家族介護者 |
研究実績の概要 |
終末期在宅がん療養者である夫を看取った妻が語る、ライフヒストリーを明らかにするにあたり、「ライフヒストリー」の概念について45件の論文と、7冊の書籍について文献検討を行った。ライフヒストリーには、経験と意味づけという構成概念が含まれていた。経験には、転機となる出来事、家族・他者・時代や社会との相互作用、自己の形成という構成要素が含まれていた。意味づけには、表現、意味の生成という構成概念が含まれていた。ライフヒストリーは、人生における個人の経験を表現し、意味づけされたものであると考えられた。ライフヒストリーの構成概念に含まれていた、転機となる出来事については、人生において状態や状況の変化につながる出来事であった。家族介護者が、自宅で看取りを行う経験や、病気になる以前からの経験を想起表現し、対話を通しての意味づけを看護職が支援することは、自宅での看取りを行うことに対する、自己肯定感や意欲の維持、死別を前にして家族としての存在意味を認識することへとつながることであった。これらのことから、終末期在宅がん療養者の家族介護者に対して、ライフヒストリーの概念は有用であると考えられた。 自宅でがん終末期の夫の看取りを行った妻11名のライフヒストリーについて、インタビューを行い、そのデータについて分析を行った。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより当初分析を行ったが、分析結果としてその理論の生成は、分析に用いたデータに限定された範囲のものに留まったため、普遍性を志向した一般化できる理論生成のプロセスを再考し、研究課題が複雑な出来事やプロセス、注意深い定義や記述が要求される、質的記述的分析方法に変更して取り組むこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの分析方法に変更が生じたため、質的に再度別分析によって妥当性を確認しながら行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
分析方法の変更により、分析結果の妥当性について、研究分担者とともに協議しながら確認をしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析の変更により、学会発表等予定していた計画に遅延が生じた。また、分析結果の妥当性等について、研究分担者が一堂に会した協議会議の回数が減数したため、使用額に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
分析方法の変更後、以前と同様、定期的に研究分担者で確認を行っていくまでに軌道を修正するに至った。今後、研究分担者が集合して妥当性を検討する協議のための旅費として、データ分析の妥当性が確認された後には、学会発表、論文発表を行っていく経費として使用予定である。
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