終末期在宅がん療養者の看取りを行った家族が語る家族の歴史について、家族がどのように認識しているのかを質的記述的に分析を行った。研究協力者は、終末期在宅がん療養者の夫を看取った妻11名である。 分析の結果、家族の認識として以下の8つが明らかとなった。①療養者と共に揺れ動く心情。②医療への期待をもち、医療を対象として捉えていた。③人生を全うするための時間。④家族の力によって看取りに臨む姿勢。⑤看取りを行うことが人生を考える契機。⑥看取りを支援する充実した社会制度。⑦長年築かれた家族の相互性。⑧看取り後も家族であるという永遠性の記憶。であった。
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