研究課題/領域番号 |
25463598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
今野 理恵 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (10341372)
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研究分担者 |
中丸 弘子 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (10309651)
山川 みやえ 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80403012)
伊藤 美樹子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80294099)
牧本 清子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80262559)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 緩和ケア / エビデンス / 認知症 / システマティックレビュー |
研究概要 |
平成25年度は認知症のある高齢者への緩和ケアに関する世界のガイドライン系の文献をシステマティックレビューの方式で検証する計画であった。 日本語文献と英語文献どちらも英文・和文の主要データベースを網羅的に検索したが、認知症のある高齢者という対象に絞った場合、緩和ケアに関する専門団体によるガイドラインは日本語文献ではほとんど特定できなかった。さらに、日本語で特定された文献では、緩和ケアの全体像を考慮したものはなかった。 英文文献では、英語を第一言語とする国のいくつかで緩和ケアのガイドラインは発表されているが、認知症のある高齢者に対象を絞ったものは、ごくわずかであった。緩和ケア全体のガイドラインの一部を認知症のある対象に割いている国もあった。 これら特定されたそれぞれの文献から抽出された主要テーマをJBI-NOTARIを用いてセマティック分析を行った初期分析結果の概要を、国際学会と、Journal of Evidence Based Healthcareに投稿しアクセプト(査読付き)された。 現在、英語文献レビューの結果を最終分析し、日本語雑誌へ投稿準備中である。ここまでの研究は認知症のある対象への緩和ケアに関する専門団体の取り組みと既存のガイドラインの状況を、特に英語圏と日本の状況を客観的に検証したものであり、世界的な方向性や認知症における緩和ケアを構成するカテゴリーの理解を明らかにしたものであり、高齢者ケア現場や教育研究者へ緩和ケアの必要性と世界的な方向性を示唆するものである。 続いて、認知症の緩和ケアにおける痛みのアセスメントに関するシステマティックレビューのプロトコルは作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では昨年度末までに痛みのアセスメントに関するシステマティックレビュー研究部分を完了する予定であったが、他の業務との兼ね合いで多忙であったため不可能だった。 しかし、2年次に計画していたアドバンスダイレクティブのレビューは、昨年度のガイドラインレビューでかなりの部分網羅できたため、そちらに割く時間はほぼ不要と判断できる。よって、今年中には予定通りの達成度に修正可能と考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はシステマティックレビュー研究の2年目であり、特に痛みのアセスメントのレビューが規模の大きいものとなるため、年度末までかかる見通しである。しかし最終プロダクトの質が低ければ、3年目のガイドライン作成の実践への意義が薄れてしまうため、確実に現存するどの痛みのアセスメントツールが認知症末期にある対象にベストであるのか、引き続き網羅的なレビュー研究を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
日本国内の学会で発表する予定であったが、職場の業務との兼ね合いで参加することができなかった。また、EndNoteなどのソフトやUSBは古いものの使用が可能であったため、特に新しく購入する必要がなかく、繰越金が生じた。 日本語対応の質的データ管理ソフトを購入する予定である。また、国内学会に可能であれば2名参加する。
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