研究課題/領域番号 |
25463603
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
藤代 知美 四国大学, 看護学部, 講師 (60282464)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アドヒアランス / 交渉 / 精神科訪問看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、訪問看護において利用者が主体的に取り組むことができるような看護援助を考えるために、統合失調症をもつ人の訪問看護アドヒアランスに影響する要因を明らかにすることである。現在はその前段階として、地域で生活する統合失調症をもつ人が看護師との間でどのように交渉し、納得して治療や看護を受けているのか、あるいは受けていないのかについて、質的記述的研究を行っている。 当該年度は、前年度に実施した「交渉」の概念分析をまとめ、高知女子大学看護学会誌に投稿した。 次に、概念分析を元に、交渉の≪継続的プロセス≫≪方略≫≪関係性≫について問いかける半構造インタビューガイドを作成した。そして、交渉がうまくできたケースとうまくできなかったケースについてプレテストを実施し、インタビューガイドを修正した。 プレテスト後は、本調査を行い、26年度中に10名の対象者から19ケース分のインタビューが終了した。インタビューは、一対象者に1~2回であり、1回当たりのインタビュー時間は20~70分であった。 分析は、グラウンデッドセオリーを参考に、データ収集と平行して行っている。個別分析では、まず切片化、コード化した。そして、コードを<対象者が行った交渉><ケースが行った交渉><家族が行った交渉><医療チーム内で行われた交渉>の4つのグループに分け、カテゴリー化した。当該年度は、研究協力者とともに、8名の対象者に語られた15ケース分の個別分析を終了している。現在は15ケースのカテゴリーを集め、前述した4つのグループごとにカテゴリー化を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者からの紹介で、インタビューを順調に実施できた。今後は、理論的サンプリングを基に新たな対象者にアクセスする必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのインタビューを基にした理論的サンプリングから、訪問看護を受けなかったケースへの交渉についてデータ収集を計画している。よって次年度は、計画当初より多い対象者20名へのインタビューを目標とし、分析を行う予定である。今後は、すでにインタビューを終了している対象者からの紹介や、大学教員からの推薦を依頼する。 また、これまで同様に、データ収集と平行して分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
一対象者につき、1~2回のインタビューを予定していたが、1度で終了できることが多かった。そのため、旅費を少なく済ませることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
上述したとおり、計画時よりも対象者を増やすため、その旅費に充当する。
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