研究課題
「妊産婦の再喫煙予防プログラム」の評価妊娠を契機に禁煙した妊婦に対して、母子健康手帳交付時に禁煙継続意思と禁煙継続自 己効力感のアセスメントとアセスメントに対応した支援マニュアルにより介入した。出産 後4か月の段階で対象者14名中禁煙継続者は12名(85.7%)、再喫煙者は2名(14.3%)で、再喫煙者は禁煙継続者よりも母子健康手帳交付時の禁煙継続意思、禁煙継続自己効力感が共に低かった。本プログラムで妊娠を契機に禁煙した妊婦の妊娠初期の禁煙継続意思と禁煙継続の自己効力感をアセスメントする意義と、アセスメントの結果低値であった妊婦に対する個別支援の効果が示唆された。本プログラムは対象数に限界があり、実践現場への導入可能性に課題が残った。その理由についてY県M保健所管内の14市町に自由記述により尋ねた結果、主要な理由として次の2点が挙げられた。①継続支援の必要性は感じるがマンパワーの不足により困難、②母子保健事業において既に喫煙対策を実施しているため新たな方法を導入しにくい。しかし、同時に①今後データとして整理し経年的な取り組み、評価につなげたい。②喫煙継続者、再喫煙者への具体的支援を検討したい。等の意見もあり、再喫煙予防プログラムの必要性が推察された。妊産婦の喫煙・禁煙行動、受動喫煙の実態については、母子保健事業として全数を把握している市町村との協同により信頼性の高い結果を得ることが可能となる。導入可能なプログラム開発と同時に、市町村と協同する仕組みの構築が今後の課題である。