精神障害者家族ピア教育プログラム「家族による家族学習会」の波及効果とシステムの評価を行うために、以下の研究を行った。 1.グループ機能評価尺度の作成:プログラムの機能評価をするために必要なグループ機能を評価する尺度、Therapeutic Factor Inventory-19 の日本語版(TFI-19J)を開発した。本尺度を使ってプログラムの効果評価を実施した。 2.家族会への波及効果に関する調査:プログラムを実施した家族会へのインタビュー二次分析を行うとともに、自記式質問紙調査を行い、継続に影響する要因や家族会の組織発展への影響を明らかにした。 3.プログラムのシステム評価に関する調査:協力の得られた全国の家族会連合会を経由して、プログラムを実施していない家族会に自記式質問紙調査を行い、実施阻害要因を明らかにした。また、プログラムの質の担保を維持するために、プログラム実施・運営の評価者と検討を重ねて、プログラム忠実度尺度(フィデリティ尺度)を開発した。チェックシートやマニュアルを改訂した。 4.プログラムの精神科病院への試行的導入の評価:プログラム実施の阻害要因として家族だけで参加者を集めることの難しさが明らかになった。そのため、精神科病院の入院および通院患者の家族を対象としたプログラム実施を病院と協力して試験的に実施した。その評価と課題の検討をプログラム前後のインタビューおよび自記式質問紙調査にて行った。
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