研究課題/領域番号 |
25463616
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西垣 昌和 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466741)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生活習慣予防 / 脳卒中 / 遺伝看護 |
研究実績の概要 |
平成27年度は,脳卒中家族歴を持つ成人の特性を明らかにし,脳卒中予防行動を促進するための介入プログラムを作成することを目的に,自記式質問紙による郵送式の横断調査を実施した. 対象は,2014年に脳卒中を発症し,A県の脳神経専門病院にて治療を受けた脳卒中患者を親に持つ成人(20歳以上65歳未満)で,脳卒中を発症していない者とした.調査内容は,生活習慣(食生活,予防行動)の実態と,生活習慣に関連が想定される要因として,健康信念モデルに基づいて調査した:リスク認識,予防行動の有益性・必要性の認識,脳卒中の重大性の認識,予防行動に対する障害,予防行動に関する知識,予防行動のきっかけ(親からの注意喚起,親が脳卒中を発症したことのインパクト),コントロール所在,教育背景,健康状況等.564名の対象に調査票を送付し,155名から調査票を回収した(回収率27.5%). 対象の平均塩分摂取量は10gを超え,目標量よりも多く,脳卒中最大のリスク要因である高血圧予防を目的とした減塩指導が必要であると考えられる.また,十分な運動量を保っている物はおよそ半数であり,食事指導と併せて運動指導も重要といえる.対象のほぼ全員が,脳卒中に罹患することの重大性を認識している反面,自身の脳卒中発症リスクを一般集団より高いととらえていたのは4割程度にとどまっていた.そのため,リスク認識を高めるための介入が有用であると考えられた.また,親の脳卒中が重篤でインパクトが強い場合には,脳卒中の予防行動が抑制されている傾向がみられ,脳卒中へのコントロール感が失われている状況が推察された. 上記を受け,対象のリスク認識を高め,減塩と身体活動量増加させ,疾患の重篤性認識によるコントロール感喪失を是正することを目的とした介入プログラムを作成中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,平成27年度までに臨床介入研究に着手する予定であったが,介入プログラムのための調査と,それに基づく介入プログラムの作成の段階までの進捗となった.研究代表者の研究機関移動に伴う研究体制(人員,フィールド)の変更により,計画変更の必要が生じたためである.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度終了時点での進捗状況は,当初計画からおおよそ1年の遅延をみる.そのため,研究期間を1年延長する.新たな研究体制(人員,フィールド)の調整はできており,平成28年度に予定した計画を遂行できるものと考える.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画より進捗がおよそ一年遅延し,臨床介入研究に未着手のため.
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次年度使用額の使用計画 |
研究期間を平成28年度までに延長し,臨床介入研究を予定通り実施する.
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