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2014 年度 実施状況報告書

発達障害児の早期発見および早期支援システム構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25463624
研究機関天理医療大学

研究代表者

尾ノ井 美由紀  天理医療大学, 医療学部, 准教授 (70324788)

研究分担者 早川 和生  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70142594)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード高機能発達障害児 / 早期発見ツール / 個別プログラム
研究実績の概要

平成26年度に高機能発達障害児の早期発見指標の信頼性を高めるために、更に幼稚園教諭3名に半構造面接を行い、高機能発達障害児早期発見指標の完成を行った。結果、25年度調査で得られた項目と相まって、児の特性として、感覚異常や感覚遊びを強く求めたり拒否するなど、感覚統合の未熟さに関する項目が多く抽出され、感覚統合の未熟さから他者への関心や距離感の違いや社会性の発達の遅れによる集団への適応が難しく、人と適度な距離が取れない状況が明らかになった。そして、発達障害児の多くが、筋緊張や筋力の脆弱さから姿勢の悪さや発達の質のいびつさを持っている児が多いことが明らかになった。一方、母の特性として、母の遺伝的素因の強さや、障害受容の差異による混乱した育児の姿勢が見られ、母が自責の念にかられる姿もうかがわれた。
インタビュー調査研究によって得られた項目より、高機能発達障害児の早期発見ツールを作成し、その妥当性や信頼性検証のために、平成26年末から27年3月にかけて、A市下の発達障害者支援センター4か所に通所中の幼児140名を対象にアンケート調査を行った。結果、65名(回収率46.4%)の回収があったが、データ分析のためには更なるアンケート回収が必要であり、協力施設の調整中である。
併せて、高機能発達障害児支援プログラム作成のために、アンケート配布時、1施設の通園児保護者に個別指導希望の確認を行った所、8名の同意が得られ、平成27年度前期から作業療法士と連携の元、感覚統合療法を活用した個別プログラムを、月1回約30分の個別支援を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成26年度は、平成25年度に実施した高機能発達障害児の早期発見指標に基づき高機能発達障害児早期発見ツールを作成し、併せて、後期には高機能発達障害児の保護者に個別介入を行うことを計画していたが、後期には発達障害児の早期発見指標の信頼性を高めるために、平成25年度に実施した専門職以外にインタビュー調査を行い、高機能発達障害児早期発見指標の精錬に努めた。また、後期に予定していた保護者支援に際し、介入施設の調整や介入支援者の承諾が予定より遅れたために保護者支援の時期が遅れた。
よって、平成26年度後半から年度末に、介入希望者の参集を行い、平成27年度当初から保護者支援に着手し始めたところであり、当初の計画より高機能発達障害児早期発見ツールの作成と保護者支援時期が半年程度遅れている。

今後の研究の推進方策

平成27年度前期において、高機能発達障害児早期発見指標の信頼性と妥当性を検証するために、平成26年度後期以降に実施したアンケートに加え、更なるアンケート調査を実施し、高機能発達障害児早期発見ツールの完成を行う。
また、平成27年度当初より開始した高機能発達障害児保護者支援を前期に実施し、効果検証を行う。後期には、前期に行った高機能発達障害児の保護者支援の効果検証により、早期発見早期支援プログラムの提起を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度前期に、平成25年度に実施した発達障害児早期指標に基づき高機能発達障害児早期発見ツールを作成し、後期に高機能発達障害児の保護者に個別プログラム介入を行い、効果検証を行うことを計画していたが、早期発見ツールの妥当性と信頼性検証のためのアンケート協力施設が予定していたより少なく調査回収やや遅れている。
また、保護者支援に際し介入施設の調整や介入支援の承諾者の参集が予定より遅れた。よって、アンケート調査にかかわる費用(郵送代金、アンケート印刷代金、謝金など)や、保護者支援にかかる費用(希望者に配布のためのPC購入、研究協力者謝金、研究者の交通費など)の諸費用の支出が滞っている。

次年度使用額の使用計画

平成26年度後半から年度末に、介入希望者の参集を行い平成27年度当初から保護者支援に着手開始した。よって、平成27年度前期に、保護者支援に関する諸費用(希望者への貸し出し用のPC購入、研究協力者への謝金、研究者の交通費、参加者への謝金など)を支出予定している。
また、平成27年度前期に高機能発達障害児早期発見ツールの妥当性と信頼性の検証のためのアンケート調査を更に予定しており、アンケート調査にかかわる諸費用(郵送代金、アンケート印刷代金、謝金など)を支出予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 地域で子どもを支える大人の役割2014

    • 著者名/発表者名
      石村吉偉、尾ノ井美由紀
    • 雑誌名

      奈良県教育委員会,人権・地域教育講演会報告書

      巻: 1 ページ: 1-3

  • [雑誌論文] 発達障害児早期発見指標に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      尾ノ井美由紀、大見サキエ
    • 雑誌名

      第34回日本看護科学学会学術集会講演集

      巻: 1 ページ: 681

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 急性期病院認知症患者の 地域連携に関する一考察 退院支援の課題と対応による変化2014

    • 著者名/発表者名
      河合のり子、尾ノ井美由紀
    • 雑誌名

      日本認知症ケア学会・関西大会抄録集

      巻: 1 ページ: 25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 発達障害児早期発見指標に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      尾ノ井美由紀
    • 学会等名
      第34回日本看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2014-11-30
  • [学会発表] 急性期病院認知症患者の 地域連携に関する一考察 退院支援の課題と対応による変化2014

    • 著者名/発表者名
      河合のり子、尾ノ井美由紀
    • 学会等名
      日本認知症ケア学会 関西大会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2014-09-28
  • [学会発表] 地域で子どもを支える大人の役割2014

    • 著者名/発表者名
      尾ノ井美由紀
    • 学会等名
      奈良県教育委員会,人権・地域教育講演会
    • 発表場所
      奈良市、橿原市
    • 年月日
      2014-08-30 – 2014-09-07
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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