平成28年度は、27年度に実施したパーキンソン病(以下PD)患者アンケート調査の報告学習会を2回実施した。1回目、2回目それぞれに10名程度の参加があった。災害準備の重要性が確認された。支援を受けるためには個人情報を近隣等に知らせる必要があるが、告知することへの抵抗、秘密にしておきたいことが近隣に漏れる不安について、今後の対応の必要性が話された。 西日本の全国PD友の会1支部の役員を中心に友の会での災害を含めた緊急時の対応についてインタビューを実施した。PD患者にとっては日常から無動などの症状が起これば要支援の状態になり非常事態である。他者に支援を求める準備をしておくことが強調された。患者会として、パーキンソン病の理解を深めてもらうような活動の必要性も挙げられた。友の会会員であれば安否確認もできるが、個人情報保護について行政等との連携は困難であることが明らかになった。 災害時の対策について、地域の民生委員、自治会が、すべての疾患・障害に対応した支援を実施するのは困難である。要支援者それぞれに家族環境、症状、異なり、困りごとも異なるため、患者の側から、情報を提供し、必要な支援を求めることが必要であると考えられる。一方、患者の居住地を市街地と中山間地で比較すると、市街地居住者のほうが防災対策に不安があり、近隣にも自らは言いにくい者の割合が高かった。患者会は災害についてもPDに特化した情報共有の場となりうる。患者会組織として、患者に対しては、近隣との付き合いも含め、具体的な災害準備についての情報提供を、また、広く地域に向けてPDの理解を促す活動が求められる。
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