本研究は男性労働者を対象とし,メンタルヘルスケアの観点から特にソーシャル・キャピタルおよびワークライフバランスに注目して,労働者の健康感に与える影響を検討することを目的とした質的研究と量的研究を実施した.質的研究の結果,所有するネットワークの多様性や適切なワークライフバランスが主観的健康感の向上に関連していた.量的研究からは,男性労働者の主観的健康感には職場のSCと職場以外のストレスが関連することが示唆された.個人,家庭,職場,地域におけるSC向上,ネットワークの構築,さらに良好なワークライフバランスを保つことが,労働者の主観的健康感の向上やメンタルヘルスの保持増進に繋がることが期待される.
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