研究課題/領域番号 |
25463633
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鳩野 洋子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20260268)
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研究分担者 |
前野 有佳里 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432908)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 保健師 / 市町村 / 管理職 / 能力 / モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保健師管理者の能力育成モデルを開発することである。本年度は、昨年度に実施したインタビューの対象数を増やすとともに、それらの内容を分析し、モデル案の作成を行うことであった。 最終的に市町村において課長職以上の保健師9名に対してのインタビューが終了した。逐語録に起こしたインタビュー内容について、能力獲得に寄与した経験およびその理由が語られた部分を抜き出し、その内容を整理してコードとし、意味内容の類似性に基づいてカテゴリを生成するとともに、名称をつけた。 対象者の属性は50歳台7名、60歳台2名、所属は保健所が設置されている市5名、一般市町村4名、保健師経験年数は平均34.0年(退職後は含まず)であった。6カテゴリ22項目が抽出された。以下、【】カテゴリ、<>コードとする。カテゴリは<一事例に丁寧に関わる><地区活動の深く関わる>等から【住民や地域への深い関わり】、<活動を言語化・可視化する>等から【実践の意味の明確化と発信】、<(新任期から)活動に対する裁量とと責任を持つ><困難事例・事象に対応する>等から【リーダーシップの涵養】、<予算の流れを知る・関わる><施策化の過程を経験する>等から【行政力の涵養】、<他職種とのつながれを持つ><外部機関とのつながりを持つ>等から【人や機関とのネットワークの獲得】、<外部研修への参加>等から【自己研鑚での学び】であった。また、それぞれについて、スタッフ保健師として活動していた時とは異なった意味が語られた。 現在、整理したカテゴリ・コードおよびその意味づけに関して、インタビュー対象者に対しての意見収集調査を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビューおよびその質的な分析は終了しており、現在実施中の分析内容の妥当性の確認のための調査が終了すれば、全国調査に向けた準備が整うと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、本年度は管理職の立場にいる保健師に対する全国調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー対象者の勤務場所が研究者から遠方ではなかったため、旅費の負担が少なかった。また、海外調査を予定したが、その調査の準備が整わなかったことで差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
差額分は、26年度に実施できなかった海外の保健師管理者育成に関する調査の実施に活用する予定である。
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