研究実績の概要 |
1. 壮年期における生活習慣病予防健診受診行動モデルに基づく介入研究結果の分析 平成27年度末に実施した、首都圏I市における特定健診未受診者検診の対象者に対する受診勧奨介入効果を分析した。受診勧奨介入方法としては、I市に特異的な健診受診行動関連要因を同定する事前調査の結果に基づき、健診機関への親和性を高める内容を盛り込んだリーフレットの送付を採用し、リーフレット送付群と対照群の健診受診率を比較検討した。結果、2群間の健診受診率には統計学的に有意な差は認められなかった。原因として、リーフレット送付のみでは充分に健診機関への親和性を高めることができなかったと考えられ、今後他の方法で健診機関への親和性を高めていく必要性が示唆された。
2. 壮年期における生活習慣病予防健診受診行動モデルの開発 平成26度末に実施した、全国40~65際の男女約1,200名を対象としたweb調査をベースライン調査とする、健診受診状況のフォローアップ調査を実施し、生活習慣病予防健診受診行動モデルを検討した。具体的には、ベースライン調査における、Health Belief Model、Theory of Planned Behavior、TTMを枠組みとする健診受診行動の各種規定要因と、ベースライン調査から2年後となる本年度の健診受診状況の関連についてロジスティック回帰分析にて検討した。結果、2年後の健診受診の有無には、ベースライン調査における「主観的健康感」「目標意図」「実行意図」「強化因子」が独立して関連していることが示され、これらの要因の強化が継続的な健診受診につながる可能性が示唆された。今後、これらの健診受診決定要因と他要因の関連をモデル化し、健診受診促進策に資する知見を公表していく予定である。
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