研究課題/領域番号 |
25463642
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
柳澤 理子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30310618)
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研究分担者 |
橋本 秀実 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (50515781)
坂本 真理子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (70285237)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | CSHCN / 障害児 / 慢性疾患 / タイ / unmet needs / 国際共同研究 |
研究実績の概要 |
本年度は、タイ農村のCSHCN養育者のunmet needsを測定することを目的に、質問紙調査を実施した。2013年にMaha Sarakham県において実施したCSHCNの養育者に対する面接調査の分析結果をもとに、Health and Medical needs, Welfare needs, Education needs, Social needs, Information needsの5分野から構成される概念枠組を構成した。サブカテゴリー領域を勘案しながら、40項目からなるCSHCN養育者のunmet needs測定尺度案を作成した。原案は英語で作成し、タイの研究協力者によってタイ語に翻訳、英語に逆翻訳して等価性を検証したのち、Maha Sarakham県において調査を実施した。質問紙は、本尺度案のほかに、対象者の属性、ケアしているCSHCNの疾患または障害、ケア負担、CSHCN Screener©タイ語版から構成した。 対象郡内の病院、社会福祉事務所を通して、CSHCNの養育者に質問紙を配布し、376人から回答を得た。データはタイにおいて入力とクリーニングを行い、Excelファイルと確認のための質問紙原本を日本に持ち帰り、現在分析を行なっている。今後は、まずCSHCN養育者のunmet needs測定尺度の信頼性、妥当性を検討するとともに、同尺度を用いてunmet needsの高い領域やunmet needsが高まる要因を検討していく予定であり、このために研究期間を1年間延長した。 既に分析を終えている面接調査の結果については論文を作成し、現在国際誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、平成27年度で本研究は終了予定であり、1年の延長をしたことで当初計画よりは遅れている。これは、主としてタイの国内事情および共同研究者の事情による。しかし、計画された質問紙調査を終え、データエントリーおよびクリーニングも既に終了していることから、後は分析を残すのみであり、平成28年度中に終了が可能だと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、調査結果の分析を日本の共同研究者で実施する。分析結果は、タイの研究協力者と検討を行なうと共に、論文として投稿する準備を進める。 現在投稿中の、面接調査に関する論文については、英文誌への掲載を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、タイのCSHCN養育者のunmet needsについて、質的研究によって概念枠組を作成し、それに基づいて質問紙を開発、調査研究を実施するものである。現在、質的研究は終了し論文投稿中であるが、採択されれば投稿料等が発生する。質問紙調査部分については、データの収集、エントリー、クリーニングまでが終了しているが、分析と結果の学会等での公表はこれからである。したがって、論文投稿に関連する費用(投稿料、英文校正等)、結果の分析と公表に関する費用(学会参加費、旅費等)が必要となる。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表、会議等の交通費として、学会参加費および旅費約3万円が必要である。論文投稿料、英文校正料として、その他約12万円が必要である。
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