研究課題/領域番号 |
25463643
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
古田 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00319253)
|
研究分担者 |
流石 ゆり子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70279892)
輿水 めぐみ 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90405225)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 転居 / 生活適応 / ライフ・ライン・メソッド |
研究実績の概要 |
H28年度に新たに調査を行い、「転居高齢者の生活適応の経過に関連する要因」としてまとめ、公表した。概要は下記の通りである。 目的:都道府県の境界を越えて子どもとの近居または同居を目的として転居してきた高齢者を対象に、生活適応の経過と関連要因について明らかにすることを目的とした. 方法:対象は過去2年以上5年以内に、65歳以上で長年住み慣れた地域から都道府県の境界を越えて子どもとの近居または同居を目的として中部地方のA市に転居してきた高齢者6名である。研究参加者は在宅介護支援センター相談員および民生委員から紹介を受けた。研究者が訪問し、研究参加について同意を確認した後、1人につきおよそ1時間の半構造化面接調査を行った。研究デザインはライフ・ライン・メソッドを用いた。 結果:1.高齢者は、転居によって生活に「慣れている」状態から「慣れていない」状態に陥り、その後平均で4.2ヶ月頃に新しい土地での生活が適応に向かっていることを実感していた。転居先の生活に「慣れている」状態になったのは、平均で1年7ヶ月後であった。 2.転居後の適応を推進した要因である「適応のための考えや行動」は、【転居の肯定的な受け止め】【地元の人に受け入れてもらえるよう振る舞い行動する】【自分にとってなじみの土地になるよう行動する】など7カテゴリーで構成され、転居者であることを意識しながらも地域に溶け込むための積極的な行動が含まれていた。また「周囲の人的・物的環境との関係性」は【転居前の生活を継続できる環境】【転居前より無理がなく安心感のある生活】【子ども家族や地域の人との穏やかな交流】【新たに得た知人・友人の存在】など8カテゴリーが含まれ、日常的な交流と安定感のある生活が要因になっていた。
|