研究課題/領域番号 |
25463646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
入江 安子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80342195)
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研究分担者 |
山田 晃子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70588524)
前屋敷 明江 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90639345)
小松 雅代 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80726315)
奥田 眞紀子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00390211)
城島 哲子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80267872)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マターナルメンタルヘルス / コホート研究 / 子どもの発達 |
研究概要 |
本研究は、妊婦の心理・社会環境要因と、産後のうつ状態、子どもの運動・認知・社会性の発達との関連を検討することを目的としたコホート研究である。対象は、A 県の2013年9月~2014年12月(予定)の間に妊娠届出書を提出した妊婦(約1200名)と出産した子どもの集団である。方法(コホート研究)、妊娠届出時の妊婦の心理・環境要因について調査し、その要因が、産後うつ状態や子どもへの虐待行動、子どもの行動・知的・社会性の発達との関係を3 歳6 カ月児時点まで追跡観察するものである。2013年度は、妊婦の属性と社会環境要因(妊娠時の年齢・就労状況、喫煙状況、飲酒状況、健康状態、妊娠届け時の妊娠週数)、DV 被害の状況、心理要因、ストレス状況と不安状況State-Trait Anxiety Inventory(STAI)との関連を分析した。 現在もデータ収集中であるが、2013年度データ収集95人は、妊婦の年齢中央値30歳(18~40)、妊娠週数中央値8週(4~21)状態不安の中央値43(24~63)特性不安の中央値39(20~68)であった。分析の結果、妊婦の年齢と状態不安との関連は認められなかった。また、妊娠を知った時の気持ちと状態不安との関連は、「とてもうれしかった」67人の状態不安平均41、「うれしかった」21人の状態不安平均48、「困った」4名の状態不安平均55、有意差(P=0.001)が認められた。喫煙と状態不安との関連は、「煙草を吸わない」83人の状態不安平均42、「禁煙中」10人の状態不安平均47、「煙草を吸う」1人の状態不安平均60で、有意差(P=0.037)が認められた。またSTAIの状態不安60以上が5人(5.3%)であり、未婚、つわりによる体調の不調、DV等の問題が挙げられた。 今後、妊婦の心理社会環境要因とSTAI、及び産後うつとの関連性を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、研究協力していただける機関を探すのに苦労したが、現在、研究協力機関を得ることができ、1200名の対象としたコホート研究が可能となった
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今後の研究の推進方策 |
2014度前半は、妊娠届け時の妊婦の心理・環境要因とSTAIとの関連性を分析する。2014年度後半は、妊婦の心理・環境要因及びSTAIと、4か月健診時の産後うつ状態や赤ちゃんへの気持ちとの関連性を分析する予定である。 2015年度以降は、妊娠届け時の妊婦の妊娠に伴う心理・社会的環境要因と子どもへの虐待行動、子どもの運動・認知・社会性の発達との関連を分析することを計画している。また、産後のうつ状態については、イギリスで開発されたエディンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)日本語版が用いる。子どもへの虐待行動については、すこやか親子21の「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」から「あなたは虐待をしていると思いますか」の項目を用いる。 本研究において妊婦の心理・社会環境要因,産後うつ 子どもへの虐待行動を独立変数、子どもの行動・知的・社会性の発達における困難を従属変数とする。研究のエンドポイントを子どもの3歳6か月とする。尚、データ分析には、妊婦の心理・社会環境要因と、産後のうつ状態、子どもの行動・知的・社会性の発達の関連性をχ2検定、t 検定、相対危険度、ロジスティック重回帰分析等を用いて統計分析する。
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