研究課題/領域番号 |
25463648
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 若年性認知症者 / 高齢認知症者 / コミュニケーションスキル / 本来感 / 会話分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症ケアの向上を図るため、認知症者の本来感を高めるコミュニケーション・スキルを開発することである。認知症者が住み慣れた地域で生活を継続するためには、関わる人々のコミュニケーション・スキルが重要と考えるからである。本来感とは自分らしくある感覚であり、対人関係の親密さや生活・活動の場の充実、肯定的な心身状態に影響を受けている可能性が示唆されている。認知症者自身の本来感を高めるコミュニケーション・スキルが明らかになれば、本人が望む場で生活を継続することが期待できる。本研究における研究参加者は、若年性認知症者と高齢認知症者である。初年度であった平成25年度に、若年性認知症者が活動する場面において、他者と行っている相互行為の構造と秩序を明らかにするためデータ収集を実施した。 2年度目となる平成26年度にデータ分析を実施した。その結果から明らかになったことは、若年性認知症者は活動場面において指示を得て「話し手ー受け手」という役割交代をしながら動作を行っていること、若年性認知症者と支援者の志向の焦点は活動の中心となっている手であることが明らかとなった。また、本来感が高くない場面では「要請-受け入れ/断り不明(沈黙)」「評価-同意/不同意不明(沈黙)」の隣接ペアが多かった。 平成26年度は認知症高齢者の活動場面をデータ収集した。トランスクリプトを作成し、会話分析に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度に実施予定であった認知症者の医療場面のデータ収集が未実施である。理由は、認知症高齢者の活動場面のデータ収集において、撮影対象が分散した場面を録画することとなり、会話の明瞭度が低くトランスクリプト作成に多くの時間を費やしたためである。
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今後の研究の推進方策 |
早期に認知症者の医療場面のデータ収集を実施する。収集したデータの分析に集中的に取り組む。
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