研究実績の概要 |
親子で学ぶ『小学生用飲酒防止教育プログラム』の開発を目的に、1)コンテンツ内容検討のための質問紙調査、2)作成した教育プログラムの試行をした。1)質問紙調査では、小学校および幼稚園、保育園、こどもセンターの子どもを持つ両親2,000人の子どもの親2,000人に対し、飲酒関連の知識や意識を尋ねた。結果、以下の4点が示唆された。1.「一度に大量の飲酒をすると急性アルコール中毒になる」が最も多く、最も回答が少なかった項目は、「すい臓障害(すい炎・糖尿病) であった。2.小学生に必要な教育内容として最も多かった内容は、「子どもの飲酒がどのように身体に影響するか」であった。3.小学生にお酒を勧めたことが、「ない」97.7%、「ある」2.3%であった。親が子どもにお酒を勧めている現状があった。4.親の飲酒状況の比較では,要注意群とアルコール依存症の疑い群では父親が2倍以上も高かった.飲酒防止プログラムには【アルコールの長期かつ多量飲酒の害】、【飲酒の子どもの身体への影響】といったコンテンツが求められ、また、特に父親の参加が効果的なプログラムの実施につながることが分かった。 2)この結果を受け作成した飲酒防止プログラムの試行には、小学生の子どもを持つ父親4名、母親7名が参加をした。事後アンケートでは、参加者の8割が、本プログラムに対し肯定的評価を下した。更に、小学生を対象に、親の参加を期待する本プログラムの意図に対しても、賛同する意見が多数得られた。今後はより多くの参加者に対し、プログラムを実施したい。
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