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2014 年度 実施状況報告書

摂食障害の治療拒否に対するエビデンスに基づく倫理的対応指針の作成

研究課題

研究課題/領域番号 25500002
研究機関東京大学

研究代表者

瀧本 禎之  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00396699)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード摂食障害 / 医療倫理 / 臨床倫理
研究実績の概要

H26年度は①理論研究として文献調査、②実証研究として治療拒否対する意識調査を行った。
①摂食障害の治療拒否に関する文献研究として、論点の整理を行った。その結果、判断能力が治療拒否時の対応に関する重要な要因であることが判明した。判断能力を中心にした過去の様々文献(精神疾患の判断能力、判断能力の測定法など)を収集し、次年度の摂食障害患者における判断能力測定研究の理論的土台を構築した。
②摂食障害専門医に対して摂食障害患者が治療拒否を行った際の意識調査の結果を解析した。対象となったのは日本摂食障害学会に所属している医師であり、回答者は55名(回収率38%)であった。生命危機のある状態の患者が罹病期間が短い場合と長い場合において、強制的治療を選択する医師の割合は、それぞれ59.6%, 67.3%であり、有意な差は認められなかった。一方で、罹病期間が短い患者において生命危機がある場合と無い場合に強制的入院治療を選択する医師の割合は、それぞれ96.2%, 26.0%と有意に差がみられ、罹病期間が長い患者に於いてもほぼ同様の割合であった。家族が強制的入院治療に同意している場合と同意していない場合において、罹病期間の短い患者に対して強制的入院治療を選択する医師の割合はそれぞれ96.2%, 84.4%であり、罹病期間の長い患者に対して強制的入院治療を選択する医師の割合はそれぞれ96.2%, 69.6%(p<0.05)であった。以上から、強制的入院治療が選択される際には、患者の身体状況、家族の意向が重要な要素になっていることが明らかとなった。専門医にみられたこの傾向が、保健行政側でもみられるかどうかを調査するために、精神医療審査会の構成員を対象に追加の意識調査を計画し調査を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

保健行政への調査対象を精神医療審査会に選定するまでに時間がかかったことと、文献調査が広範囲へ広がり要点の抽出に手間取っていることが原因である。

今後の研究の推進方策

次年度は、第二次アンケート調査の実施と、摂食障害患者における判断能力に関する質的調査の実施を行う。それと並行して、判断能力に関する文献調査を行い要点を整理する。

次年度使用額が生じた理由

質問紙調査研究と海外における調査が遅れているため。

次年度使用額の使用計画

次年度は質問紙調査の実施と、海外調査を実施することにより使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Medical practitioners’ attitude to treatment refusal in anorexia nervosa2015

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Takimoto, Shiho Urakawa, Yukari Yamamoto, Akira Akabayashi
    • 学会等名
      International Conference on Eating Disorders
    • 発表場所
      Boston, USA
    • 年月日
      2015-04-23 – 2015-04-26

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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