• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

医療に関する意思決定代行制度の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25500006
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

神野 礼斉  広島大学, 法務研究科, 教授 (80330950)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード成年後見 / 生命倫理 / 終末期医療
研究概要

本年度はドイツにおける成年後見法と医療同意の問題について検討した。国連条約では、だれもが医療や保健などの健康サービスにアクセスできることが保障されているが、これを実現すべく、ドイツでは、医療行為と健康配慮について、実体法上および手続法上、きわめて詳細な規定が用意されている。とりわけ、2009年の第3次世話法改正において、民法典の中に、「患者の指示書」の制度が創設されたが、その要件は厳格に定められており、また、その患者の意思が具体的にどのように実現されるかの手続についても詳細な規定が用意されている。また、これらの法制度の運用にあたっては、医師(病院)、裁判官(裁判所)、自治体(世話官庁)が連携して積極的に活動している。たとえば、病院からの連絡を受けた裁判所は、医師が医療を行うことができるように迅速に世話開始の手続きを進める。そして、裁判官は集中治療室(ICU)にいる患者であっても本人の状況についての心証を得るために訪問するというのである。
他方で、わが国ではこの問題があまりにもあいまいに扱われすぎてはいるように思われる。わが国では、現行法上、医療行為と健康配慮については社会通念のほか、緊急性がある場合には緊急避難・緊急事務管理等の一般法理にゆだねざるを得ない。わが国においても、いかにして平穏な死を迎えるかについて関心をもつ人は少なくないように思われ、法制化に向けた議論は行われるべきであろうが、その制度設計については、ドイツ法も参考に、より慎重な検討がなされるべきであろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ドイツにおける最新の法改正についてさらに検討する必要があるから。

今後の研究の推進方策

さらに継続して諸外国の法制度を検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] <日独シンポジウム>成年後見法における医療行為と健康配慮について2014

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      成年後見法研究

      巻: 11号 ページ: 217-224

  • [雑誌論文] 2013年学会回顧/民法(家族法)2013

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 85巻13号 ページ: 114-122

  • [雑誌論文] 家族裁判例の動向2013

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      『民事判例7(2013年前期)』(日本評論社)

      巻: 7 ページ: 52-56

  • [雑誌論文] 親権法改正について2013

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      『現代民事法改革の動向IV』(成文堂)

      巻: 4 ページ: 105-129

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi