研究課題/領域番号 |
25500007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
TOBIAS Bauer 熊本大学, 文学部, 准教授 (30398185)
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研究分担者 |
良永 彌太郎 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (20139504)
阪本 恭子 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (20423098)
多田 光宏 熊本大学, 文学部, 准教授 (20632714)
床谷 文雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (00155524)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 赤ちゃんポスト / 匿名出産 / 内密出産 / 日本:ドイツ |
研究概要 |
「平成25年度科学研究費助成事業交付申請書」の研究計画に基づき研究を実施した。主に、2009年以降のドイツにおける「赤ちゃんポスト」に関する議論及び研究成果の整理及び分析を行った。 1 文献調査及び資料収集 ― 本プロジェクトのメンバー全員が各担当分野において徹底的かつ体系的な文献調査を行い、その結果を踏まえて、さらに一次資料や日本語・西欧語による二次文献及び参考文献を収集し、その分析に着手した。 2 ドイツにおける赤ちゃんポストに関する最近の動向を把握するための中核的なテキストの抄訳・要約・分析 ― (1)の調査結果を踏まえて、重要と思われる下記の資料を抽出し、その抄訳及び分析に着手した。 (1)ドイツ青少年研究所編『ドイツにおける「匿名出産」及び「赤ちゃんポスト」』(2011年)の「まとめ」及び「結論」の翻訳。(連邦家族省の依頼によって実施された包括的な調査研究であり、「赤ちゃんポスト」及び現行の「匿名出産制度」を批判し、代わりに「内密出産制度」を提案している。)(2)ドイツ青少年研究所編『嬰児殺し』(2011年)の「まとめ」の翻訳。(上記(1)の枠内で行われた研究で、犯罪学・心理学の視点から、「赤ちゃんポスト」が嬰児殺しや新生児の遺棄の防止にはつながらないと主張している。)(3)ドイツ青少年研究所編『非配偶者間人工授精』(2011年)の第7章「匿名出産と精子提供による出産の類似点と相違点」の翻訳。(赤ちゃんポスト・匿名出産と非配偶者間人工授精に共通した問題である子供における自己の出自を知る権利について論じている。)(4)2014年5月1日から発効予定の「内密出産法」に関する資料の翻訳。 3 以上の研究に加えて、次年度以降に計画している日独比較研究に備えて、慈恵病院(熊本市)及び福田病院(熊本市)を訪問し、それらの取り組みについての情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトは概ね順調に進捗しているが、2013年にドイツで可決された「内密出産法」に関する資料も視野に入れて抄訳及び分析する必要が生じたため、当初計画していたドイツにおける赤ちゃんポストに関する中核的なテキストの抄訳・要約・分析の2013年度内の公開は、新法律の発効(2014年5月)を待ち、それも含めた資料集として公開することにした。 なお、次年度以降に計画している日独比較研究に備えて、慈恵病院(熊本市)及び福田病院(熊本市)を訪問し、それらの取り組みについての情報収集を2013年度内に行った。
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今後の研究の推進方策 |
極めて流動性のあるテーマであるため、日独両国の動向を探り、柔軟に対応して研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
2014年5月にドイツで発効予定の「内密出産法」に関する資料が年度内に入手できなかったため、使用額を次年度に繰り越すこととした。 主に2014年5月にドイツで発効予定の「内密出産法」に関する資料を入手する予定である。
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