これまで病棟に勤務する看護師を念頭に置いて練り上げられてきた看護倫理の知見を、訪問看護の場面に適用しながら、在宅医療特有の問題群の全体像を把握し、訪問看護における医療選択における実務的指針となり得るような具体的提言を、研究会やHP上で行うことができた。具体的には下記の3点である。 1.国内外の文献や訪問看護師へのインタビューから、訪問看護師が直面するモラルジレンマを、ターミナルケア、障がい者ケア、難病患者のケア、認知症高齢者のケアなどのカテゴリーごとに分類し、これらをもとに事例データベースを作成・更新し、HP上に公表することができた。 2.「認知症ケアの倫理と法」研究会に出席し、認知症ケアに関する事例について、情報収集を行うことができた。 3.介護事業者へのインタビュー調査を実施し、看護師だけではなく、介護スタッフからのモラルジレンマを収集し、在宅ケア固有の問題をより深く理解し、HP上のブログ上に公表した。
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