当初、今年度の目標を3つ掲げた。 ①抜去歯の教育・研究利用について国内状況の把握に限定して調査し、適正利用について検討する。 ②前の科研費(基盤研究(C)、課題番号:22520035)で作成した「2013年度版 よき歯科医師になるための20の質問 倫理的検討事例集」(以下、倫理的事例集という。)の事例のひとつを映像化する。 ③倫理的検討事例をさらに集めてブラッシュアップし、事例集の改訂版を作成する。 残念ながら今年度にできたのは②だけである。 「倫理的検討事例集」に収められた660字ほどの「認知症患者への新義歯作成」という事例を連携研究者の平田創一郎教授が「いれ歯はひとつ」というタイトルをつけて昨年度すでにシナリオ化していたが、今年度、制作会社に依頼し、およそ18分の長さの映像作品にすることができた。映像化にあたっては、プロの俳優3名以外に、とくに歯科医療に関わる配役については、東京歯科大学と神奈川歯科大学の教員に依頼した。また、認知症患者が入所しているという設定の施設についても、実際の老人保健施設の協力を得ることができた。
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