子どもが医学研究に参加する際に、研究者から理解力に応じた説明を受けてアセントを与えられる年齢について、国内外の多数の倫理指針ではおおむね7歳以上であると示されている。平成28年度の研究活動として、健康な子どもが侵襲および介入のない研究に参加する場合にこの年齢が適応できることを明らかにするため、4歳~9歳の子ども18人を対象とした面接調査を実施した。 対象: C 研究所にて募集し、保護者から研究参加への同意が得られた4~9歳の子ども18人、期間: 2016年10月、所要時間:対象者1人につき30分前後、場所: C 研究所、方法: (1)面接A; 個室にて説明用シナリオと解説図を用いて、研究者から対象者に研究(面接B)に関する説明をした後、確認のための質問をし、回答および反応を記録用紙に記載した、(2)アセント取得; 対象者から理解と参加への賛意が表明された場合、意思確認書に署名(またはマーク)を受けた、(3)面接B; 別室にて研究を実施した(レジリエンスに関する構造化面接調査)、分析: 用紙記録と面接中の映像をもとに分析を行った。 面接調査の結果、対象者18人のうち16人からアセントが得られた。得られなかった2人の内訳は5・6歳児各1人であり、1人は身体上の困難が、1人は母子分離に困難がみられたため、合理的な拒否であると考えられた。5歳児には説明のおおよその理解と参加への意思表示がみられ、マークによるアセントが得られた。6歳児(小学1年生)以上には研究に関する質問への回答を含めた意思表示がみられ、署名によるアセントが得られた。 侵襲および介入のない研究として、構造化面接調査を子どもが参加する研究の内容としたとき、視覚的資料と理解力に応じた言葉による説明により、5歳児からアセント取得が可能であり、小学生から文書への署名が可能であることが示唆された。
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