研究課題/領域番号 |
25501003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
小田 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303920)
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研究分担者 |
福川 康之 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90393165)
平石 界 安田女子大学, その他部局等, 講師 (50343108)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 利他性 / 心の理論 / 感染脆弱性意識 |
研究概要 |
本研究の全体構想は、観光産業において不可欠な要素となっているホスピタリティを、人間が本性として持っている利他性の一種として捉え、その心理的基盤の構造を科学的に実証することである。本年度は具体的な目標として、ホスピタリティの行動学的定義とその定量的な測定、ホスピタリティの心理的基盤の構造の解明、ホスピタリティについてのフィールド研究の3つを設定した。まずホスピタリティの行動学的定義とその定量的な測定については、ホスピタリティの定義とその測定の可能性について、代表者と分担者とのあいだで綿密な議論を行い、心の理論と利他行動を基盤としたホスピタリティ尺度の内容について検討した。またホスピタリティ尺度開発のための準備として、その基礎となるいくつかの尺度、特に対象別利他行動尺度について信頼性や妥当性、応用の可能性を検討した。次にホスピタリティの心理的基盤の構造の解明については、ホスピタリティに影響する要因のひとつとして疾患への耐性を考え、自らの感染脆弱性意識を測定する既存の尺度について日本語版を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。また、ホスピタリティの基盤と考えられる認知特性について実験と調査の両面から検討した。ホスピタリティについてのフィールド研究については、調査地候補であるいくつかの地域を対象として、名古屋工業大学コミュニティー創成教育研究センターとの協力により、ソーシャルキャピタルなどについての基礎的な調査を実施し、資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初はフィールド研究について具体的な調査を計画していたが、ホスピタリティを測定する尺度の開発が遅れており、対象地域についての基礎的なデータを収集するに留まった。
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今後の研究の推進方策 |
ホスピタリティ尺度の開発と検討を急ぎたい。今年度に充分な計画を練ることができたので、速やかな実行が期待できる。また、今年度に開発した感染脆弱性意識尺度を応用し、ホスピタリティとの関連について検討する予定である。フィールド研究については基盤が整ってきたので、具体的な調査の実施を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度に購入したプリンタが予定よりも安価であったため、残額を次年度において有効活用することにした。 トナーの購入など、今年度に購入したプリンタの維持費用に充てる計画である。
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