研究課題/領域番号 |
25501004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
吉村 晶子 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (50356052)
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研究分担者 |
山田 圭二郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303850)
星野 裕司 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70315290)
笠原 知子 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (80452019)
山口 敬太 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80565531)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 風景 / 地域づくり / 観光 |
研究概要 |
より本質的な観光の発展のためには、対象地域の自律的で持続的な発展・成熟が重要である。また逆に、地域づくりにおいては、観光の視点、外部からの参入を取り入れることも必要である。この両輪により、地域が健全かつ持続的に発展・成熟し、地域のオーセンティシティが保たれるとともに、観光にもより質の高い持続的な効果が得られる好循環を期待できる。以上の観点から観光と地域づくりに資する知見を得るため、申請時に設定した3事例、および比較事例を選定し、「地域のオーセンティシティを支えるしくみ」について、技術知・文化知・生活知の面からの実証研究を行なう。平成25年度は、設定済み事例対象地域について、まず兵庫県稲美町において、ため池の水利用とその管理、水管理の主体となる組織・個人の役割・体制とルール、取り決めや慣習について調査した。山の辺の道においては、里山の管理、地域愛着について調査した。京町家については、建具替えや年中行事、空間的な作法秩序について調査した。これらに対する比較事例を選定するにあたり、伝統住居に住み、里山を利用する生活をしているブータン王国パロ地方の伝統的住居および農村集落が適当であると判断し、調査に着手した。以上の各事例に関し、今後、稲美町では水利風景、農耕風景等に対する地域住民特有の感覚に関する調査も実施し、収集データをとりまとめる予定である。山の辺の道についての調査結果は成果公表準備中である。京町家については、空間認識の獲得過程に注目して収集データを整理し、学会報告を行なった。今後より詳細に分析し成果をとりまとめる予定である。比較事例については、本年度実施したインタビュー調査の結果を分析、成果公表準備を行なうとともに、より詳細な調査および実践に関する計画を立案する予定である。さらに、全体を統合してとらえるモデルも構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象地域における調査協力が円滑に得られた
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今後の研究の推進方策 |
引き続き事例調査を行い、各事例における技術知、文化知、生活知を詳細にとらえる。また、地域に内在する知を顕在化・対象化するため、地域内部の住人と、外の観光客や市民の協働的体制による地域活動の実践や、文化知によるコンテンツ・プログラムの開発等の実験的実践を実施する。実施後は結果を検証し、フィードバックを行う。並行して理論的モデルの構築作業を進め、実践検証結果とも照合しながら、地域オーセンティシティの源泉となる内在的な3つの知を統合してとらえられるモデル構築に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
対象地域からの調査協力が予想以上に円滑に得られ、当初見込みよりも調査調整のための旅費や事前調査費用を節約でき、その分を詳細調査や実験的実践の充実をはかることとしたため、未使用額が生じた。 このため、次年度の詳細調査や実験的実践の充実をはかることとし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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