研究課題/領域番号 |
25501011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 旭川大学 |
研究代表者 |
吉地 望 旭川大学, 経済学部, 教授 (50399979)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 観光動線 / 外国人観光客の動向 / ネットワーク分析 |
研究概要 |
本研究の目的は、外国人観光客の観光動線を含む観光動線分析手法の開発である。本研究は、大雪カムイミンタラ・スタンプラリー(以後KSR)事業の押印スタンプ情報と景品応募時に記入するアンケートから北海道全域の観光動線情報を廉価に取得することができる点に特徴を持つ。取得情報を民間企業や、市町村の広域連携の基礎情報として提供し、地域経済活性化に寄与することを目標とする。日本人観光客に加え、伸びが期待される外国人観光客の観光動線の把握が重要である問題意識から、研究は出発している。 初年度である平成25年度の実施計画は三つあった。①外国人観光客がスタンプラリーに参加するための応募用紙の多言語化、②KSR事業で使用されている参加施設・店舗マップの作成への協力、③解析結果の情報発信である。 一つ目の応募用紙の多言語化は、日本人向けのKSR事業の応募用紙を多言語化する形では実施されなかった。外国人向けの応募用紙は別途作成し、スタンプ押印ポイントを共有化する許可をKSR運営委員会より頂き、事業実施された。応募用紙は、北海道来訪の外国人観光客の中で、レンタカーで移動する層である台湾、シンガポール、香港の人々が読める中国語(繁体字)、英語の二言語で作成された。1000部のマップ付き応募用紙をレンタカー会社の許可をもらい複数店舗に配置した。 マップ作成は、現在KSR事業で使用されているマップでは住所でしか把握できなかった参加店の位置情報を明記した地図を作成した。好評で次年度以降の地図の導入を運営委員会で検討するとのことである。 三つ目は、3月27日にKSR事業運営委員会にて平成25年度のスタンプラリー事業から見える観光動向について講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度に掲げた三つの実施計画は、情報発信の一部を除けば概ね達成した。この点において、事業は概ね順調といえる。しかしながら外国人向けスタンプラリーへの参加者が予想を遥かに下回っており、今後も同様の手法で実施できるかの岐路に立たされている。小樽商科大学江頭研究室が実施した外国人を含む動線研究でも外国人はスタンプラリーそのものをよく知らず、日本人のようなスタンプラリーをする文化的な素地がないと報告をしている。この点を考慮すると研究の進捗は、やや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
外国人向けスタンプラリーを初めて実施した結果、スタンプラリー全盛の日本と比べるとアジア圏の人々には馴染みが薄いものであることを実感した。引き続き、同様のスキームで外国人向けスタンプラリーを実施するが、十分なデータが取得できないことを踏まえて、スタンプラリー実施期間に外国人旅行者向けのヒアリングを実施することにより、データ不足を補完する形で、研究目的の達成へとつなげていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
外国人向けスタンプラリーの参加者数が不十分であったため、入力作業や分析補助にかかる謝金がかからなかったことと、研究成果を発信するための旅費は、十分なデータが得られなかったため来年度に持越しとなったため。 外国人向けスタンプラリーの参加者を増やすことと、参加者が少ない場合に備えて、計画当初は予定していなかったインタビュー、アンケート調査を実施する際に生じる謝金等の人件費並びに学会発表の旅費として次年度に繰り越して使用する。
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