研究課題/領域番号 |
25501016
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
樋口 淳 専修大学, 文学部, 教授 (70095983)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 沖縄 / 観光 / 地方創生 / 食文化 / ファーマーズマーケット / 民俗遺産 / エコロジー / ブランド化戦略 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、①沖縄本島と宮古島と周辺諸島におけるファーマーズマーケット、泡盛酒蔵、おうちカフェ、塩ビジネスの調査、②福島県の会津地方、東京都港区青山、神奈川県川崎市などにおけるファーマーズマーケットの動向調査、③韓国ソウルおよび龍仁郡における伝統的なマーケットと食文化の調査を行った。 日本各地と沖縄、さらには韓国の50ヶ所を超えるファーマーズマーケットと伝統的市場の調査から、各地の市場の歴史、地域的な特色、新しい展開を洗い出し、それぞれの「地産地消」の新しい形を解明し、沖縄の特性を生かした新しい農業の可能性を示すことができた。とくにグローバル化が進展し、少子高齢化が進行する現在、ファーマーズマーケットが沖縄の農業の新しい可能性を担うことを明らかにすることができた。 泡盛の沖縄と燒酒(ソジュ)の韓国の調査では、両地域の食と飲酒文化の相違を明らかにし、今後の文化交流の可能性を示すことができた。 以上の研究成果をインターネットを通じて分かりやすく伝えるために、ホームページの充実をはかった。沖縄と韓国、そして中国は、卓越した蒸留酒の歴史と文化を共有し、観光とビジネスを通じた食文化交流の可能性が高い。沖縄を訪れる中国、台湾、韓国の観光客やビジネスマンの数も増加している。本年度は、とくに中国語と韓国語のページを強化し、中国、台湾、韓国の人たちに、沖縄の観光とビジネスの情報を発信するよう努めた。 さらに、平成27年3月26日に沖縄県宜野湾市においてシンポジウム「沖縄民俗遺産とその活用」を開催し、成果の公表を行うとともに、27年度の研究活動の方向を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度は、沖縄本島と宮古島の調査は十分に行うことができたが、いわゆる「離島」の調査が不足した。とくに最南端の石垣島とその周辺諸島の調査を行うことができなかった。 研究成果の公開については、ホームページの韓国語、中国語による情報発信体制を確立したが、さらに言語や文化的な制約を超えて、誰にでも分かりやすい情報提供の方法を開発する必要がある。 シンポジウムは宜野湾市で開催し、研究成果の公開と今後の方向性について検討することができたが、地方選挙などの影響で、当初予定していた名護市における開催を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は、とくに石垣島と周辺諸島のファーマーズマーケット、泡盛、塩を中心とした沖縄民俗遺産の調査を行う。 ホームページからの情報発信は、GoogleMapなどのツールを活用したヴィジュアルな検索手段を導入し、中国、韓国、台湾などの人々に簡単で分かりやすく、すぐに役立つ情報を提供することを目指す。 研究成果の公開のためには、名護市でシンポジウムを開催し、沖縄本島北部の人々と地域の活性化について討論する場を提供したい。 さらに三年間の研究成果を踏まえた、デジタルブック「おいしいオキナワ(仮題)」を編集し、ホームページからダウンロード配布する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ホームページのコンテンツ入力作業の提出と支払い手続きが年度末に重なったために、人件費・謝金の支払を十分に行うことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度のホームページのコンテンツ入力強化のために使用し、ホームページの充実に努める。
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備考 |
本研究プロジェクト成果を、随時公開している。
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