本研究では、細胞密度依存的にヒストン修飾のレベルが変化することに着目し、細胞密度依存的なエピジェネティクス制御と遺伝子発現調節の解明を目標とした。 これまで作製したヒストン修飾抗体を用いて、細胞密度依存的な変化を調べたところ、培地中にヒストンアセチル化を上昇させる物質があることが分かった。特にこれは3時間以内で起こる、比較的早い反応であった。一方で、メチル化修飾では短時間では変化がみられず、24時間以上の培養によって減少した。つまりアセチル化とメチル化ではその制御が異なることが示唆された。さらに、これらヒストン修飾を変化させる物質のひとつに乳酸が挙げられることが分かった。
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