研究課題/領域番号 |
25504001
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
目崎 喜弘 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40431621)
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研究分担者 |
妹尾 春樹 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90171355)
山口 典子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90251553)
吉川 究 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90400481)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ビタミンA |
研究実績の概要 |
脂溶性分子であるビタミンAは単独では生体内で安定に存在できないため、その疎水性を緩衝するタンパク質が存在する。細胞外では血漿レチノール結合タンパク質が存在し、細胞内では細胞質レチノール結合タンパク質(CRBP)IおよびIIが存在する。CRBP Iは全身に発現しており、CRBP IIは小腸特異的に発現している。CRBP I/IIはビタミンAの疎水性を緩衝するのみならず、ビタミンAエステル化酵素であるレシチン:レチノールアシルトランスフェラーゼ(LRAT)の酵素活性を正に調節することが示唆されている。LRATを細胞株HEK293に強制発現させると細胞内にレチニルエステルが蓄積することが既に報告されているが、この系にさらにCRBP IIを強制発現して細胞内のレチニルエステル蓄積量をHPLCを用いて定量した。その結果、ビタミンA添加直後のレチニルエステル生成量はCRBP II添加により確かに促進されたが、長時間培養後のレチニルエステル生成量はCRBP IIによりむしろ減少する傾向を示した。長時間培養により過剰に蓄積したレチニルエステルと、CRBP IIによるレチノールの隔離が、LRATの触媒反応に対して抑制的に作用したと考えられた。生体におけるLRAT、CRBP I/IIの発現細胞である肝星細胞や小腸吸収上皮細胞においては、生成したレチニルエステルの隔離機構(脂質滴)、分泌機構(キロミクロン)がそれぞれ発達しているため、LRAT酵素活性が十分に発揮される環境が整えられていると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビタミンAエステル化酵素の酵素活性が細胞質レチノール結合タンパク質により促進されることを確認することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
ビタミンAエステル化酵素以外のビタミンA代謝関連酵素のcDNAクローニングをさらに進め、活性測定系を構築する。また、精製タンパク質を用いた活性測定系も構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
HPLC分析用試薬の使用量を予定より少なく済ますことができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
分子生物学的解析のための消耗品として使用する。
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