免疫細胞内のグルタチオン(GSH)量は、個体の免疫力に影響する。本研究では、マウスマクロファージ(Mφ)培養細胞RAW264を用い、β-カロテン(BC)がMφ内GSH合成を引き起こすまでのメカニズムを検討した。その結果、RAW264細胞に対するBC誘導性GSH産生に、c-Jun N-terminal Kinaseによる情報伝達の関与が判明した。さらに、細胞内GSH量に対する影響において、レチノールもβ-カロテンと同様の活性を示したが、一方でそれらの共通の代謝物であるレチノイン酸によって刺激されるレチノイン酸受容体やレチノイドX受容体が関与する情報伝達は、その作用には関係しないことが示唆された。
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