Y2受容体(Y2R)のSNPsと血中HDL-C値が関連することを報告した。本研究でその関連機序を検討した結果、HDL-C値が低くなるSNPを含む遺伝子を一過性導入すると培養肝細胞のHepG2では転写活性がみられた。そこでHepG2でY2R拮抗薬の遺伝子発現への影響を検討した。マイクロアレイにより743、492種類のmRNAが各々1.5倍以上増加、減少した。増加群は脂質代謝に関わる遺伝子、HDL代謝パスウェイを、減少群はコレステロール合成調節転写因子SREBPシグナルパスウェイを含んでいた。以上よりY2R拮抗薬は特定のY2R SNPsを有する対象の脂質異常症改善薬となる可能性が示唆された。
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