研究課題/領域番号 |
25504010
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 講師 (00223298)
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研究分担者 |
赤水 尚史 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20231813)
岸田 邦博 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (30412703)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 機能性成分 / 分子生理機能 / 生体イメージング / 脂肪細胞 |
研究実績の概要 |
(1)レポーター安定発現株移植によるIn vivo イメージングによる検討:前年度作成したレジスチン/ルシフェラーゼレポーター安定発現株のうち、発現の強いものを選びヌードマウスの腹側皮下脂肪に106 cells移植した。移植後24時間目から、5日間にわたって、カフェ酸を腹腔内投与し、時間経過に伴うレジスチン遺伝子の発現をモニターした。撮像の条件等や、また安定発現株の成着とレポーター遺伝子発現の減少等の問題点が見られ、正確な定量的評価はできないものの、カフェ酸投与により発現抑制傾向が見られた。 (2) Gene Chipを用いたアディポカイン関連遺伝子発現の網羅的解析:Gene Chipを用いてカフェ酸100μM投与群 vs. コントロール群で比較検討を行った。脂肪細胞分化に関連する転写因子PPARγやC/EBPα等の発現は抑制傾向にあった。また、各種アディポカイン(レジスチン、アディポネクチン、Rbp4、レプチン、Sfrp5、IL-6、TNFα)遺伝子について検討したところ、既に分かっているレジスチンは発現抑制されたが、善玉であるアディポネクチン、Rbp4は抑制傾向であり、むしろ分化抑制に伴うアディポカイン分泌の低下を示唆している可能性が考えられた。他のアディポカインについても発現解析を行ったが、レプチン、sfrp5、IL-6、TNFaなどは発現が弱く、Gene Chipを用いた結果からはハッキリとしたことは言えない。Real-Time PCR法で解析する必要があると思われた。 (3) 和歌山県特産物由来機能性成分の検討:和歌山県特産物に含まれる機能性成分についても検討しており、特許の関係から詳細を明らかにすることはできないが、高脂肪食負荷による肥満に対して抑制効果があることを見いだしている。分子メカニズムを含め検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度作成したレポーター遺伝子安定発現株を用いてヌードマウスに移植後、カフェ酸の腹腔内投与によってレジスチン遺伝子の発現抑制について検討する事ができたが、いくつかの問題点もあり定量的に発現抑制を見ることができていない。 また、DNAマイクロアレイ解析から、いくつかのアディポカイン遺伝子について調べたところ、すべてのもので抑制傾向があり、これは脂肪細胞分化に関係する転写因子の発現抑制によるものと考えられた。 さらに、新たな機能性物質候補についても、高脂肪食による肥満を抑制する事が明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
ヌードマウスにレポーター遺伝子安定発現株を移植する系での問題点をクリアするためにも、レポーター遺伝子トランスジェニックマウスの作成が必要になってくるかも知れない。 高脂肪食による肥満を抑制する新たな機能性物質についても、その分子作用メカニズムを解明する事も含め検討していきたい。
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