研究課題
(1)和歌山県特産物由来機能性成分の検討:前年度に解析を開始した新たな機能性成分(特許出願中につき成分の詳細は未開示)について、さらに検討を行った。肥満を誘導する高脂肪食に新規機能生成分を混合し、高脂肪食及び普通食を対照として、体重増加に与える影響について検討した。高脂肪食+1%機能性成分混餌群では高脂肪食群に比し、摂取後6週目から有意に体重抑制効果が見られた。さらに3%混餌群では、摂取開始ご1週間で高脂肪食群に比し有意に体重増加抑制効果が見られた。摂取カロリーは3%混餌群で若干減少したが、他の各群では差がなかった。(2)この体重減少の背景にあるメカニズムとして、①食欲抑制によるもの、②脂質の吸収阻害によるもの、③脂肪組織における余剰エネルギーの燃焼、が考えられるが、摂取カロリーがほぼ差がないことから、①の可能性はあまりなく、②と③が考えられた。そこで、③の可能性を検討するため、機能性成分の鼠頚部皮下組織における遺伝子発現に与える影響を検証した。白色脂肪組織中に褐色脂肪様細胞が誘導されるベージュ化において、蓄積脂肪を熱産生によって消費する熱産生タンパク質UCP-1遺伝子発現が上昇する事が知られている。この遺伝子発現上昇を検討したところ、1%、3%混餌群と濃度依存的にUCP-1遺伝子発現が上昇した。この事から、少なくともこの機能性成分は熱産生タンパク質発現を促進し蓄積脂肪を熱産生によって消費することで、体重増加抑制作用を示すものと考えられた。
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Journal of Environmental Radioactivity
巻: 146 ページ: 110-118