| 研究課題/領域番号 |
25504014
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| 研究機関 | 順天堂大学 |
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研究代表者 |
家崎 貴文 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10348956)
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| 研究分担者 |
渡邉 マキノ 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00255655)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 血管内皮細胞 / 一酸化窒素 / 血管弛緩反応 / フコイダン / 一酸化窒素合成酵素 / 虚血-再灌流障害 |
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| 研究実績の概要 |
海藻類のヌメリ成分に含まれるフコイダンという物質の、心臓・血管系に対する作用を科学的に明らかにし、分子メカニズムを解明すること、さらに、食品として摂取した場合の安全性、有効性や副作用の有無を、細胞、臓器、個体レベルでの検討を通して検証し、機能性食品としての有用性の科学的根拠を明らかにすることが本研究の目的である。
本年度は、前年度に引き続き、フコイダンによる血管弛緩反応のメカニズムの全貌を解明することを中心に検討を行い、さらに、フコイダンの心臓に対する作用および虚血-再灌流障害に対する作用を検討するため、摘出ラット心臓のランゲンドルフ灌流モデルを用いた実験にも着手した。フコイダンは摘出ラット大動脈を血管内皮依存性に弛緩させるが、そのメカニズムは、前年度より引き続き行った培養血管内皮細胞を用いた研究により、フコイダンは血管内皮細胞から一酸化窒素を産生させ弛緩を引き起こすことがほぼ明らかとなった。本年度はフコイダンの血管弛緩反応のメカニズムをさらに詳細に検討するため、フコイダンが作用する可能性のある受容体のブロッキング抗体を用いて、その受容体を同定する研究を予定していたが、血管内皮細胞からの一酸化窒素の産生の証明に時間を要したため、まだ着手出来ていない。抗体が入手でき次第実験は可能であり、次年度の早期に着手する予定である。心臓に対する作用の検討については、現在、ランゲンドルフ灌流実験におけるフコイダンの投与方法、濃度、処理時間等の条件設定を行っている状況であり、研究成果を得るためには若干の時間が必要な状況である。研究計画全体としては、やや遅れてはいるものの、現在までの研究結果について当初の予測に大きく反するものはなく、研究計画を大幅に変更する必要はないため、当初の研究計画に基づき研究を進めていく予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究実施計画では、フコイダンが作用する受容体の同定、および、ランゲンドルフ灌流実験の結果に基づいたフコイダン摂取モデル動物を作成する予定であったが、両者とも着手出来ていない。その理由として、前年度より引き続き行った、培養血管内皮細胞を用いた血管内皮細胞からの一酸化窒素の産生の証明、および、一酸化窒素合成酵素の活性化の証明に、予想以上に時間を要したためである。ランゲンドルフ灌流実験はすでに着手はしているが、本実験系に適したフコイダンの投与方法、濃度、処理時間等の実験条件の設定を行っている段階である。モデル動物の作成は、ランゲンドルフ灌流実験の結果が得られた後に開始する予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
フコイダンが作用する受容体の同定の実験は、ブロッキング抗体を入手できればすぐに実験可能であるため、次年度の早期に着手する予定である。また、ランゲンドルフ灌流実験による心臓への作用の検討は、実験条件の条件設定ができ次第、実験を遂行する予定であり、その後、得られた結果に基づきフコイダン摂取モデル動物を作成し、研究を進める予定である。研究計画全体としては、やや遅れてはいるが、現在までの研究結果について当初の予測に大きく反するものはなく、概ね順調に経過していると考えられる。研究計画を大幅に変更する必要はなく、今後も当初の研究実施計画に基づいて研究を遂行する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、研究実施計画全体がやや遅れているため、それに伴う物品の購入費用および旅費の使用が遅れているためである。また、培養細胞を用いた実における細胞や試薬類の購入費用が、既存のものを流用できたものが多かったため、予想使用額より少なかったことも理由として挙げられる。
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| 次年度使用額の使用計画 |
今後必要となるブロッキング抗体等は比較的高価であることが予想され、また、ランゲンドルフ灌流実験も相当数行う予定であり、試薬類や動物代などの費用が掛かることが見込まれる。また、モデル動物の作製のためには比較的大量のフコイダンが必要であり、摘出血管を用いた実験やランゲンドルフ灌流実験に用いる実験装置のメインテナンスにも相応の費用が見込まれており、次年度にこれらの費用を支出する見込みである。
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