研究課題/領域番号 |
25504022
|
研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
道川 祐市 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (20360688)
|
研究分担者 |
大西 淳之 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40261276)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 放射線 / 被ばく / 再生医療 / 幹細胞 / 栄養 / 消化管 |
研究実績の概要 |
①前年度(平成25年度)に発生したマウス肝炎ウィルス汚染事故から6月に無事復旧し、1か月ほどの慣らし飼育期間および様々な実験条件の再現性チェックを経て、ようやく本研究課題に着手できる状態になった。②マウス体内に移植したマウス間葉系幹細胞のSPECTイメージング技術について、新規確立を行った。③高線量被ばくによる消化管障害の程度を、個体レベルから組織、細胞レベルまで定量的に評価する技術を新規確立した。④高線量被ばくによるマウス消化管障害への対応特別配合食餌として、1)海洋ミネラル成分を模した経口サプリメントMCM(海洋化学研究会)、2)栄養補給ゲルDiet Recovery(Clear H2O社)、3)ケトジェニックダイエット(リサーチダイエット社)、4)腸エネルギー源L-グルタミン含有食品シングラフィー(サラヤ社)、5)発芽玄米を選んだ。⑤上記食餌による高線量被ばくマウスへの影響を順次解析した。照射条件としては、2週間で全個体が死滅するX線全身10Gyを採用した。1)から3)までの解析では、予想と反して通常食餌と比べて有意な生存期間短縮効果が認められた。通常食餌と置換するのではなく、併用することの重要性が認識された。併用の場合、自由意思による選択のみでなく経口ゾンデを用いた強制的摂取についても検討する必要がある。⑥被ばく後もマウスは積極的に食餌を摂取しようとするが、消化管障害により栄養成分を十分に吸収できていない可能性がある。したがって、6)断続的経静脈栄養成分投与、7)連続的経腹腔栄養成分カテーテル投与についても技術的な検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(理由)平成25年度に放医研全所的に発生したマウス肝炎ウィルス汚染事故による影響で、予定していたマウス実験が遂行できない事態となった。平成26年6月に復旧できたが、慣らし飼育期間を経て様々な実験条件の再現性チェックを行い、ようやく本研究課題に着手できる状態となった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は最終年度であり、遂行中の研究計画について優先度を考慮しながらまとめ上げていく予定である。マウス汚染事故については復旧後1年ほど経過するが、これまでのところ再発はしていない。汚染防止策を所内全体で十分に検討した上での復旧であり、平成27年度は問題なく計画を進めることができると考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前年度に発生したマウス肝炎ウィルス汚染事故からの復旧が6月になったため、全体計画が遅延した結果、わずかに残額が生じたためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
残額はわずかであるため、本年度の研究に必須な特別配合食事の購入等に充当する予定である。
|