研究課題/領域番号 |
25505001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
赤澤 智宏 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (80291160)
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研究分担者 |
鈴木 喜晴 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (30596565)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (50424172)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 分化制御 |
研究概要 |
本研究は、申請者が開発した間葉系幹細胞を分離する技術を応用し、均一な間葉系幹細胞を用いて、間葉系幹細胞の分化に影響を与える遺伝子の機能解析を行う。特に、間葉系組織に発現しているTeneurin-4遺伝子に着目し、間葉系幹細胞の分化におけるTeneurin-4の役割を解析することを目的としている。Teneurin-4の分化制御は、間葉系組織だけにとどまらず、骨格筋や神経など多岐にわたるため、組織間で共有される「分化スイッチ機構」を体系的に解明することは、学術的ばかりでなく、安全な先進医療を確立する上でも大きな意義を持つ。 本年度は、間葉系幹細胞の分化制御にTeneurin-4が関与しているかどうかという基礎的なデータを得るため、フローサイトメーターで分離したヒト間葉系幹細胞を用いて、分化前後でTeneurin-4遺伝子の発現変化を確認した。骨髄より間葉系幹細胞を分離・培養し、骨・軟骨・脂肪に分化させた後にRNAを採取した。分化前と後で、どのような遺伝子変化が起こっているかを解析したところ、分化後にTeneurin-4の発現が著しく低下することがわかった。また、分化能力が高い未分化間葉系幹細胞と分化能力が低い老化間葉系幹細胞の遺伝子発現においても解析を行ったところ、未分化間葉系幹細胞においてTeneurin-4の発現が高いことが確認された。マウス骨髄由来の間葉系幹細胞については、現在Teneurin-4ノックアウトマウスやヘテロマウスを用いた解析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験計画通りにおおむね進展している。 分化前後でのTeneurin-4遺伝子発現の結果は、本研究において非常に重要なデータであり、得られている結果も予想していた結果に限りなく近いことから、今後も計画通りに進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
筋線維芽細胞のセルラインにおいて、Teneurin-4のノックダウンによって分化が促進し、過剰発現により分化が抑制されることが分かっている。この系を用いて、間葉系幹細胞におけるTeneurin-4の遺伝子制御を行い、分化能に与える影響を調べる予定である。間葉系幹細胞への遺伝子導入技術において、導入効率がやや低いという課題があるため、現在改善を行っている。
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次年度の研究費の使用計画 |
参加予定であった学会が、2014年4月に開催であったことと、出版論文の別刷の納期が年度をまたいだため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、2014年4月に開催される学会参加費と、出版論文の別刷印刷料として使用される。その為、翌年度分として請求した助成金への影響は無い。
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