研究課題
基盤研究(C)
血管再生細胞治療に使用可能な血管内皮前駆細胞(EPC)分画を同定するため、ヒトiPS細胞由来EPCのsingle cell レベル遺伝子発現プロファイルとEPC コロニー形成能の解析により、EPC 分画を同定する新規CD表面マーカーの単離を目指して、H25年度は下記の研究を実施した。①ヒトiPS由来EPCの分化誘導法の確立 ヒトiPS細胞からフィーダー、及びウシ血清フリーの培養条件下で3つのサイトカインのみによりEPCを分化誘導できる誘導方法を確立した(誘導期間Day15~18)。EPCに含まれるCD34を指標にしてiPS由来分化細胞からCD34陽性細胞を2~7%で FACS分離することが出来た。②iPS由来EPCの機能アッセイ iPS由来EPCの機能を確かめる為、EPCコロニー形成能を調べた。分化誘導D15とD18で得られたiPS由来EPCは成人由来EPCと同様にprimitive、並びにdefinitiveなコロニー形成能を持つことが分かった。D15-EPC分画③single cell qPCR用ヒトCDマーカーのTaqManプローブ/プライマーの配列設計 約350のヒトCDマーカー、並びに心臓血管内皮(中胚葉系)を含む約200の分化誘導マーカーのTaqManプローブ/プライマーの設計合成を完了した。
3: やや遅れている
H25年度に計画立案していた下記の研究項目の内、①~③を実施したが、②の機能解析に多くの時間が必要となり、後半の④~⑤が未到達となったため。①ヒトiPS由来EPCの分化誘導法の確立 ②iPS由来EPCの機能アッセイ ③single cell qPCR用ヒトCDマーカーのTaqManプローブ/プライマーの配列設計 ④single cell qPCR解析とデータマイニング ⑤iPS由来CD34細胞の再分画化とEPCコロニーアッセイ
H26年度は下記の研究を予定している。(1) iPS由来EPCの機能解析の追加実験 iPS由来EPCの機能をより確実なものにする為、in vitro実験(tube形成能、血管内皮細胞への分化能、遺伝子マーカーの定量PCR)と可能であればマウス下肢虚血モデルへのin vivo移植実験を実施する。(2) single cell qPCR解析とデータマイニング 骨髄由来CD34+EPCのsingle cell遺伝子解析より6マーカーの発現が臨床効果と正の相関があり、且つiPS由来EPCに特異的に発現する5つの血管内皮系マーカーがある事が判明しているので、合計11マーカーのsingle cell発現を約1000細胞のiPS由来EPCについて解析する。発現プロファイルより発現が有意に認められるマーカーや遺伝子相関の有無を統計解析的に行って、マーカーを数個に絞り込む。(3) iPS由来CD34細胞の再分画化とEPCコロニーアッセイ 上記(2)で得られたマーカーを2つずつ組み合わせて、それぞれの陽性と陰性分画に分離後、各分画のEPCコロニーアッセイを行い、どの組み合わせのどの分画からEPCコロニーが出現するかを同定する。
研究の進展に伴い、当初予想し得なかった新たな知見が得られたことから、その調整に予想外の日数を要したため年度内に完了することが困難となった。新年度の実験において、新たな予算と組み合わせて使用する予定。
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