研究課題/領域番号 |
25510002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
種村 留美 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00324690)
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研究分担者 |
野田 和恵 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50208352)
長尾 徹 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80273796)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Everyday Technology / Assistive technology / 認知機能 / 在宅支援 / 国際情報交換 / Sweden / Karonlinska Institutet |
研究概要 |
①Everyday Technology(以下ET) の調査:2013年度は、82名の高齢者(健常高齢者72名 認知症者10名)居宅に訪問し、基礎情報としての認知機能(MMSE)、うつ尺度(GDS)、日常生活評価(FAI)、家電などのET の使用状況をETUQを用いて調査を行った。また日常生活に困難をきたしていることがあれば聞き取りを行った。健常高齢者72名は、神戸市須磨区に居住の在宅高齢者に調査を行った。認知症者10名については、栃木県内の病院に通院中で、MCIもしくはアルツハイマー病の医師の診断が明確になされている者の調査を行った。その結果、健常高齢者も認知症者もテレビのリモコンの使用に困難を示していた。また、健常高齢者は、比較的高齢者にとっては新しい携帯電話のメールやパソコン以外は、家庭にあるETの使用に特に問題を有していなかった。認知症者は、ガスの使用に困難をきたし調理動作を辞めている者や冷蔵庫の中が買い物で買ってきた同じもので一杯になり古いものと新しい物の区別がついていない者、日付がわからず予定を忘れる者、薬を飲み忘れる者など、認知症の影響で日常生活に困難をきたしており、家族が援助していた。本調査については、Swedenのカロリンスカ研究所との共同で行い、研究ミーティングを行った。 ②生活の諸問題を解決するAssistive technologyの開発:もの忘れなどの障害に対し、株式会社インサイトと記憶補助装置アプリを開発した。本アプリは日常の生活を文字や音声によって促す機能をタブレット端末で対応したものである。頭部外傷や脳血管障害後に高次脳機能障害を有した19例に2013年11月~2月の期間に使用してもらった。タブレットを使い始めてから、介護者の全員が当事者に予定や持ち物確認を促すことが減ったと回答し、当事者の約6割も促されることが減ったと自覚していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査研究については、健常在宅高齢者の調査人数は50名の予定だったが、それ以上の調査が可能だった。また、認知症者および高次脳機能障害者数については、引き続き開拓する予定である。Assistive technologyの開発も、日常生活を促すタブレットを開発し、利用者の方からも有効に使用され生活の改善が図られている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、さらに調査人数を増やし、健常高齢者、認知症者、高次脳機能障害者の生活におけるET使用の傾向を掴むとともに、生活の困難に即した「促す家」システムについて、産学共同で開発を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度に「促す家」システムを購入し認知機能低下の方々に使用予定のため、より予算を必要としたため。 テンタクルスというシステムを購入し、タブレットと連動した「促す家システム」を発案予定である。
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