研究課題/領域番号 |
25510002
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
種村 留美 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00324690)
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研究分担者 |
野田 和恵 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50208352)
長尾 徹 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80273796)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Assistive Technology / 認知症 / 高次脳機能障害 |
研究実績の概要 |
2014年度は、Everyday Technology Use Questionnaire(ETUQ)にて訪問調査を行った185例の高齢者(健常者134例、認知症38例、MCI9例、その他4例)のEveryday technology(ET)使用時の困りごとをすべて抽出し、促す対象となる困りごとを研究協力者とともに検討した。促す必要ありを1)、問題だが促しとは別に検討を2)とした。各項目のETと困りごとの内容を以下に示す。1)炊飯器:釜の中にご飯が残ったまま、ご飯が既にあるのに再度炊く、予約できないなど、電子レンジ:取り出し忘れ、コンロ:空焚きや鍋焦がし、消し忘れなど、トースター:パンの取り出し忘れ、適度にタイマーが回せない、冷蔵庫:ドアの閉め忘れ、ドアの施錠:かけ忘れ、洗濯機:干し忘れ、洗剤の入れ忘れ、テレビやこたつ、照明、ホットカーペット:消し忘れ、給湯システム:自動ではないので湯があふれる、2)電子レンジ;誤使用、冷蔵庫:買いすぎ、入れっぱなし、ものがたくさん入っているなど、洗濯機:かごに入れたまま忘れる、全自動だが回らないとSOSが入る、テレビ:BSと地デジの区別がつかない、テレビのリモコン:紛失、誤操作、BSが使えない、エアコン:リモコンが使えない、携帯電話:使えない、誤操作、電池切れなどであった。上記の1)について、安全面からコンロの消し忘れについて「消し忘れ防止アプリ」と、衛生面から洗濯の手順促しアプリを開発した。「消し忘れ防止」はコンロのそばに設置したアンドロイドタブレットを起動し、コンロに点火したら、①アプリボタンにタッチ、②アプリが「○分経過しました」と点火中促す、③コンロの火を消したらアプリボタンをタッチし終了するものである。洗濯は、①洗い物、②電源、③洗剤、④スタート、⑤洗い物の取り出し、⑥干すことの促し、である。2015年度はアプリの試用を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた促しの家システムの開発の業者であるパナソニック社が会社の再編のため、利用する予定であったライフィニティシステム部署が廃止となった。そのため、業者を変更せざるを得なくなり、テレビで促すと言う予定であったが、タブレットで促しを行うという内容に変更した。研究の意図通りの開発がやや遅れている現状である。引き続き検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
・上述の促しの家システムの開発について、別途業者にあたるなどの対応が必要であると思われる。 ・在宅認知症高齢者に開発したアプリを試用する。 ・高次脳機能障害例のETUQのデータ収集及び困りごとの抽出を行い、アプリ開発と試用を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は複数の促しアプリを開発する予定だったが、業者から申し出のあった予算では2つのみのアプリ開発に留まった。当該年度の予算を少しであるが次年度に加算しアプリ開発を引き続き行う予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き、高次脳機能障害にも対応したアプリ開発を行い、試用する計画である。
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