研究課題
本年度の研究では、Assistive technologyの開発を行い、検証を行った。まず、認知症群(n=39)、高次脳機能障害群(n=25)ともに、Everyday Technologyの使用困難を訴えが多く、安全性や衛生面の問題から早期の解決が望ましい、コンロの使用、入浴手順の誤りに注目した。コンロの使用では、認知症群は、空焚き、鍋を焦がす、消し忘れなどの困難が見られ、高次脳機能障害群では、火加減調整できない、消し忘れなどがあった。入浴動作では、認知症群では、給湯器の消し忘れ、高次脳機能障害群では、湯船の栓を忘れる、温度調節が困難、体や髪を洗い忘れる、などであった。この、コンロ、入浴手順について、促し手順アプリを作成し、これら問題のある対象者に使用してもらった。1.入浴手順アプリ:症例TM、30歳代、女性、頭部外傷後、記憶障害、遂行機能障害などの高次脳機能障害。入浴時、洗髪をしない、シャンプーを付けたまま出てくる、体にシャンプーを付けるなどの手順の誤りが見られた。アプリは、洗体→洗髪の手順アプリを作成し、防水タブレットを風呂の壁にかけ、一手順終えたらクリックし次に進んでもらった。2か月使用後、促しにより問題が見られなくなった。2.ガス手順アプリ:症例OY氏 50歳代 女性。脳血管障害後、軽度失語症、記憶障害等の高次脳機能障害、郊外に独居。要支援2。記憶障害により、薬を飲み忘れ2か月薬がたまる、ガスの消し忘れ等あり、料理がしたいができなくなったとの訴えあり。ガスコンロもIHに変更したが使えずにいた。コンロ使用手順アプリを作成し、着火→消火をタブレットにて知らせた。1週間使用し、コンロ使用手順アプリにてお茶を入れて飲めるようになったため、味噌汁を作るなどヘルパー付きで練習中である。また、薬の飲み忘れについても、記憶補助装置あらたで、服薬時間をセットし、飲み忘れが無くなった。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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巻: 12 ページ: 553,562
Hong Kong Journal of Occupational Therapy
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