研究課題/領域番号 |
25510004
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
長門 五城 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (20457740)
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研究分担者 |
渡部 一郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50241336)
橋本 淳一 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (90448613)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 車いすシーティング / 胸郭下支持 / 呼気ガス分析 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、車いすの背もたれに胸郭下支持用クッション設置の有無における呼気ガス分析を実施した。通常の連続車いす駆動(運動強度で安静時の1.5~2.5倍程度)10分間において、有意に二酸化炭素排出量が低下したことが確認できた。また、同様の車いす駆動実験環境にて最大駆動努力をした場合(駆動開始時から全力で駆動し、駆動終了は本人の運動限界判断による)、胸郭下支持を設置した場合の方が有意に運動時間が長くなることが確認できた。このことは、胸郭下支持の車いす座位における抗重力支持機能が上部体幹及び上肢・肩甲帯に負荷軽減として作用していることが示唆され、また、駆動動作における新たな動作の支点として機能していること(具体的には、支持なしより高い位置で体幹の前後傾動作が行えている)を示唆するものである。 これ等の結果から、胸郭下支持という抗重力支持を車いすの背もたれに明確に設置することは有用と考えられる。また、車いす座位全体を考えるにあたって、“如何に背もたれに荷重を促すか”という視点が安楽な、且つ効率よく車いす駆動動作ができる車いす乗車姿勢を作るポイントとなることが示された。 以上の結果と従来から日常的に行われている車いすシーティングを併せて考えると、車いす利用者の身体的・運動能力的状況を考慮して、安静座位においても、車いす駆動動作時においても常に体幹が背もたれに促されるような車いす環境を設定していく必要があると考えられる。
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