研究課題/領域番号 |
25510010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
倉本 英彦 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 教授 (10609647)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 思春期・青年期 / 精神障害 / 問題行動 / 予後(治療転帰) / 適応状態 |
研究概要 |
研究初年度である平成25年度は、「1.申請者が直接治療に携わった事例の診療記録を用いた後方視調査」を実施した。思春期・青年期の情緒や行動の問題、あるいは精神障害をのために、申請者が院長を務める都内の精神科診療所である北の丸クリニックを受診した、初診時20歳未満の事例のうち、資料が充分にそろっており、6カ月以上通院した60例を選び、初診時の所見とその後の経過ないしは治療転帰(予後)との関連を分析した。内外の文献を渉猟し、研究テーマにみあう質問票を作成して、申請者が記載した過去の診療録を丹念にあたり質問票に記入した。対象者は60名(男28名、女32名)で、初診時平均年齢は15.9歳であった。精神医学的診断(重複可)は、心因反応(適応障害)23名、統合失調症21名、神経症19名、気分障害11名、発達障害9名、パーソナリテイ傷害4名であった。問題行動(重複可)は、不登校49名、ひきこもり17名、家庭内暴力9名、自傷行為11名、自殺企図9名、いじめ5名、非行5名、虐待5名、摂食障害4名、睡眠障害2名、薬物乱用2名、性的逸脱2名であった。初診時には、GHQ-28とCBCL(親記入)・YSR(本人記入)を用いて情緒や行動の問題を評価し、初診時・6ケ月後・1年後・3年後・5年後の適応状態をGAFで評価した。適応状態はだいたい1年後までに上昇し、その後は横ばいであったが、精神障害や問題行動によって若干の相違があった。初診時の適応状態を表すGAF得点がその後の適応状態に大きな影響を与えていた。今年度は、この結果を日本精神神経学会(横浜、6月)と世界精神医学会(マドリッド、9月)で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は自験例100例を集める予定であったが、実際には500例以上を診ていたものの、初診時20歳未満で、充分な資料がそろっており、通院が6ケ月以上という条件を満たした事例を集めるのが容易ではなく、結局60名にとどまった。しかし、この数でも分析の対象としては充分であり、当初めざしていた結論を引き出すことはおおむねできたと思っている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は二部で構成されている。それは、「1.申請者が直接治療に携わった事例の診療記録を用いた後方視的調査」と「2.全国の治療者・研究者に対するアンケートによる調査」である。前者は個別的・微視的であり、後者は一般的・巨視的であるので、両者を合わせることにより研究テーマである「思春期・青年期のひきこもり等の問題行動の予後(治療転帰)に関する臨床的研究」が理念上ほぼ完成する。よって、前者の個別的研究は引き続き実施医するとしても、今年度は後者のアンケート調査に主力を注ぐ予定である。そのための調査票作成、発送・回収、データの集計・分析などを実施する。
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