研究成果の概要 |
思春期・青年期の精神障害や問題行動の問題の予後(治療転帰)を明らかにするために、二つの調査研究を実施した。一つは都内の精神科クリニックで治療に携わった自験例60名(男28名、女32名;初診時平均15.9歳)への後方視的調査、もう一つは日本児童青年精神医学会の全会員3,454名(2014年10月15日)へのアンケート調査である(回収率17.6%)。DSM-Ⅳ-TRのGAFで適応状態を評価し、初診1年後改善率を予後の指標とした。予後と関連があったのは、来院回数、同胞数、発達障害・パーソナリテイ障害、家庭内暴力、自傷・自殺企図だった。また統合失調症とひきこもりにおいて自験例調査の方が予後良好だった。
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